韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

神様と人類が探し求める平和の国と世界⑤

 「神主義」、「頭翼思想」というものは、カイン・アベルの葛藤を始原としたこの世の中にあるすべての葛藤要因と、思想と、その結実を、すべて和合し包容することができる思想であり、主義です。

 葛藤と憎悪の輪を何によって断ち切るのでしょうか。憎悪に対するより大きな憎悪の反応は、むしろ、さらに恐るべき憎悪と破壊を呼び寄せるだけです。これは、平和へ向かう道とはなり得ません。対立し、仲違いする双方の葛藤要因は、ただ真の愛によってのみ感化され、教育され、包容され得るのです。

 神様を中心にした真の愛は、国境に阻まれることがない超国家的なものです。また、真の愛は、宗教の高い垣根も乗り越え、人種差別もない超宗教的、超人種的なものです。神様の理想を中心にした相手のために生きる真の愛の感化力、生命力によってのみ、地球星の左右、前後、上下、内外の様々な葛藤、対立要因がすべて克服され、永遠の平和理想世界が成し遂げられるのです。

 第2に、平和な世界と国家を実現する基礎単位である真の家庭を完成することです。既に言及したように、対立、葛藤の根は最初の家庭にあったのであり、したがって理想的な真の父母の家庭が生まれない限り、平和世界の起源はあり得ません。

 これと連係して、私が世界的に展開している国際祝福結婚は、単純な一宗教団体の結婚式ではありません。神様の愛の伝統を立てる救国、救世の運動です。青少年に対しては婚前純潔運動を実施しています。

 そして、成人すれば、神様の真の愛を中心に夫婦間の絶対信義と貞節の誓約のもとで祝福結婚をさせる運動です。真の愛を中心として、真の家庭と真の父母を成し遂げる神聖な運動です。

 このような理想のもとで教育を受け、結婚した家庭は、エイズを脅威に感じる理由がありません。彼らにとって、エイズ予防は風邪の予防よりも簡単なことです。世界のすべての若者がこのビジョンによって教育を受け、実践すれば、エイズは完璧に予防されるはずです。

 真の愛の家庭は、家庭の崩壊を防ぎ、国家と世界に平和の礎石を置くのです。特に、政治的、歴史的に不和であり怨讐関係にあった国家間の人々が、その高い垣根を越えて姻戚関係、真の愛の関係を結ぶようになれば、和解の範囲は国家を超えて、人類を飛び越えるものになります。

 真の平和へ向かう高次元の公式は、不和と怨讐関係にある家門、さらには怨讐国家の子女たち同士で交差結婚祝福をし、天地が願う真の愛の真の家庭完成の祝福圏を成就させることです。ここから、神様と人間が願う永遠の平和世界が出発していくのです。

 第3に、超宗教的な和解と協力は、平和世界へ向かう必須条件です。私はこの五十年間、超宗教的な和合と対話のための運動のチャンピオンとして活動してきました。常に自らの教団の発展よりもはるかに多くの予算を支援しながら、休むことなくこの運動を行ってきました。変わることのない、このような愛の実践が簡単なことでしょうか。決してたやすいことではありませんでした。

 教団間の和解と協力がない限り、世界平和は期待することができません。神様の理想である平和世界への案内者には、宗教指導者と信仰者がならなければなりません。もし、宗教が偏な教派主義ばかりを強調し、宇宙的な真の愛を教えることに失敗すれば、人類は葛藤と戦争の恐怖から自由になることはできません。地球星の危機の前に、宗教指導者は謙虚に神様のみ旨に従い、超宗教的に手に手を取って真の愛を実践していかなければなりません。

 宗教の感化力によって安らかな人格が創出され、自己主管力が養われて歴史的な憎悪と怒りを消化することから、真の平和と安定がもたらされます。もし、各宗教が教理や儀式の違いを超えて、神様の高い理想のもとでお互いに愛し合い、協力し、奉仕することをこの世の中に見せてあげるならば、世界は劇的に変わることができます。


韓鶴子総裁講演集」より