韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

世界と東西南北統一は真の愛で②

サタンを自然屈服させるための神様の戦法

 それで、神様は悪に対しては「無抵抗主義者」なのです。それはどうしてでしょうか。神様はこの地球上に天国理想の世界を成就する時まで、どのような環境の中でも、堕落してサタンとなった天使長を愛さなければなりません。

 神様はサタンがいくら暴れ回るとしても、罰したり打ってしまうことができないのです。どのような状況でも愛したという条件と基準を立て、サタン自身が「ああ、本当に神様は神様であられる。降伏しました」と告白しない限りは神様は完全なる勝利を成し遂げることができません。それが問題なのです。

 神様がそのようにサタンを愛することによって屈服させることが、復帰原理的な道であるならば、神様の子女である私たちも、やはりその道を行かなければなりません。世界的に迫害を受けても、世界的な怨讐圏に立つとしても、彼らを愛したという条件を立てなければなりません。このような側面から、悪を自然屈服させようとする神様の戦法は「怨讐を愛せよ」ということでした。

 話は簡単ですが、これが神様とサタンの間で勝敗を分ける境界線となってきたということを誰も知りませんでした。

 神様がサタンを敵であり怨讐であるとみなし、彼に対して復讐しようという思想をもったとするならば、絶対に勝利の頂を占領することはできません。反対に神様は「怨讐を愛せよ」と言って、愛の作戦を繰り広げてきました。

 神様のひとり子であるイエス様はサタンが役事して自分を殺そうとした怨讐に対して、「彼らを許し給え」と祈祷したということは偉大なことです。もし、イエス様が十字架で死ぬ時に、怨讐に対して敵愾心を抱いたならば、摂理は逆転したことでしょう。福を祈る愛の心をもって、死を克服したために、サタンが自然屈服したのです。

 永遠に、神様の子女として残ることができる資格がそこで生まれたのです。サタンもこれを認め、「あなたは本当に神様の息子である」と、サインするのです。

 皆さんも、神様の前で、「サタンよ、私が神様の息子であることに間違いないだろう」と問えば、「はい、間違いありません」、また「神様の息子としての相対圏を拡大していくであろう。個人から、家庭、氏族、民族、国家、世界圏に拡大するのに異議はないだろう」と言えば、「はい、それは原理原則なので仕方ありません」と答えるように行動しなければならないのです。

 神様はこのような条件に従って、キリスト教文化圏を中心として、摂理を推進してきました。犠牲の道、殉教の場、血まみれの境地においても、神様を愛し、怨讐までも愛する運動を展開してきたのです。私たちは家庭、社会、国家、世界においても、この運動を展開しなければなりません。

 キリスト教の愛の精神によって、激しく迫害を加えてきたローマ帝国が屈服しました。キリスト教はそのようにして世界的な宗教になりました。これまで、クリスチャンは個人的な怨讐だけを考えてきたのですが、そうではありません。怨讐国家や、さらには怨讐世界も愛さなければなりません。

 怨讐国家の中心に天国の出発点があるので、そこに真の愛の伝統基盤をつくって出発しなければ、地上天国は成し遂げられません。このようにして、伝統が立てられれば、これ以上の思想、これ以上に消化できる主義は生じません。

 韓国が日本帝国の支配下にあったとき、韓国、日本、ドイツ、米国など、主要摂理4大国家は互いに怨讐の関係でした。その当時の状況では日本と韓国が怨讐の関係であり、日本と米国が怨讐の関係であり、米国とドイツが怨讐の関係です。

 ところが文総裁はこのような怨讐関係にある日本人とドイツ人を米国に連れていき、「米国が神様を無視し、神様を失ってしまったなら滅んで死んでしまうので、米国を生かさなければならない」と言って、真の愛の道を実践しました。日本やドイツの人々に「敵対関係であった米国を自分の祖国以上に愛することができる伝統を立てることなくしては神様が望まれる新しい世界理念を立てることができない」と強調し、真の愛の伝統を教えたのです。


韓鶴子総裁講演集」より