韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

平和の根源は神様⑥

 昨今の政治の現実を見てください。どこに、この国、この民族を真に愛し、生命を捧げて平和を成就しようとする真の愛国者を見いだすことができますか。心の病にむしばまれていくこの国の若者たちを救ってあげることができる思想や理念を、誰が提示することができますか実に切なく、悲痛な思いを抑えるすべがありません。このようなことは、すべて私たち個々人において、一心一体一念の基準を立てることができていないことに由来するものです。心と体の統一がなくて、いかに家庭と国家と世界の平和を願うことができますか。

 私たちの本心が平和と幸福と統一を願うのは、永遠不変の真理です。しかし、問題は私たちの肉体です。心を包んでいる器なので、好き勝手に脱ぎ捨ててしまうこともできず、時々刻々と姿形も、方向性も変わってしまうこの体を、どのように扱うかということが鍵です。

 人間の体はサタンの王宮です。それで、使徒パウロも、「わたしの肢体には別の律法があって、わたしの心の法則に対して戦いをいどみ、そして、肢体に存在する罪の法則の中に、わたしをとりこにしているのを見る。わたしは、なんというみじめな人間なのだろう。だれが、この死のからだから、わたしを救ってくれるだろうか」(ローマ人への手紙7章23、24節)と嘆きました。

 私たち自身を深く見つめてみれば、善と悪の二つの目的を指向する要素が内在しているのを発見することができます。善を指向する心があるかと思えば、正反対に悪を指向する体があります。

 これを解決できなければ、歴史的に怪物のような怨讐だった体は、いつまでもそのまま残り、永遠に私たちを困らせることでしょう。使徒パウロの嘆きも、正にこの点を指摘しているのです。

 皆さん、世界平和を成就し得る道は、戦争ではありません。お金と権力と知識もその解答ではありません。国連の力でもできません。利己的な個々人の欲望と自国の利益にばかり血眼になっている国連の舞台では、何も期待することはできません。

 私たち自身の中に堕落性が残っている限り、いくら理想を掲げ、平和を叫んでみても、そこにはいつも闘争と混乱の歴史が乱舞することでしょう。したがって、この堕落性を根絶することなくしては、平和の道を模索することができないという結論を下すようになるのです。

 世界平和の基準は、歴史時代の終末点にあるのではなく、闘っている自分の心と体を統一させることができるところにあるのです。人間の心と体の間隔が広がれば広がるほど、それに従って葛藤と苦痛も大きくなります。

 私たちの心は、神様の監視所であり、体はサタンの一線です。したがって、私たちは、心と体の間隔を狭め、衝突を避け、ついには一つに統一させなければならないのです。私たち自体の中に根を下ろした堕落性を抜いてしまい、心身一体一念の境地に到達するためには、私たちに真の父母が必要です。選択の余地もなく偽りの父母から受け継いだサタンの偽りの血統を、除去してくれる真の父母に会わなければなりません。真の父母に会って真の愛の真理を伝授され、「ため」に生きる真の愛を実践する人生を生きなければなりません。

 皆さん、世界を一度注意深く見てみてください。小さくは夫婦間の鐚藤から、大きくは国家間の相克と戦争に至るまで、推し量ることができないほど多くの問題点を抱えています。そこには、原因と理由も限りなく多く存在します。しかし、その根本を掘り下げてみれば、男性と女性の問題に帰結されます。

 いくら大きな問題でも、調べてみれば結局、男性と女性の問題に集約されるということを否定できません。人類の出発は、本来男性と女性の関係から出発したのではないですか。家庭での不和が拡大されて各種の社会問題と国家、世界の問題にまで広がるのです。

 したがって、すべての家庭で、すべての社会と国家で、そして世界的次元において、男性と女性にかかわる問題さえ完全に解決して、一つの標準型をつくっておけば、世界は、一つになった平和世界、すなわち創造本然の理想世界になるはずです。


韓鶴子総裁講演集」より