韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

「神様の神秘な摂理」(3)

 私(韓鶴子女史)がなぜこの話をするかと言いますと、この話から一つの重大な教訓を学ぶことができるからです。多くの人々が天の前に誓いをなし、約束をします。また、皆さんも、父母様の前に多くの約束をしたのです。ところが、いつも天の前に約束した基準以上、100%以上実践するのは、容易なことではありません。天は、皆さんが築いて、天に捧げた精誠以上の報いを、いつもしてくださるのです。

 私たちが世界を完全に統一する時までは、常に我々の決心が100%になれない場合には、条件が付くようになります。あの趙漢俊ハラボジの例を見ただけでも、自分の一生を懸けて築いた全財産を投入して石橋を架けたのですが、そのごくわずかな銅銭3枚が問題になったのです。今から考えてみると、もしその趙ハラボジが残ったお金で草鞋を買わないで、それをそのまま川に投げてしまっていたら、それがそのまま天の前に100%精誠を尽くすことになったのではないかとも考えられます。しかし、天はそのハラボジの真心が分かったので、「お前の苦労は認める。だから娘を授ける」と言って、弥勒を現して見せてくださったのです。それが、今になって考えてみると、結果的にエバの道を開く基になったのではないかと思われます。

 時間が足りなくて、話を全部することができないですね。簡単に結論を出すことにしましょう。皆さん、おもしろい話ですか。おもしろく聞いたかもしれませんが、恐ろしい話でもあります。

 趙氏ハルモニと洪氏ハルモニと私、3人が1948年に南下(朝鮮半島北部から南部へ移動)しました。その当時の熱烈なキリスト教信者たちはみな、平壌がエデン宮(注:新しい聖都エルサレム)になると信じていたのです。

 その当時、南の韓国に私の叔父に当たる人が1人いましたが、その方が韓国の軍隊に入っていたのです。その方は、いつも外地にいながら勉強し、日本にも留学したのです。それで、お祖母さんが「自分の息子に会いたい」と言っていたので、その叔父に会うために、私たち3人の女性がしばらく南を訪ねることにしたのです。それが南下する動機だったのです。

 ところが、その後、予想もしなかったことが起こったのです。1950年に韓国動乱が起こり、38度線(軍事境界線)が生まれました。それで、とても北に帰ることができないで、南にいることになったのですが、その結果、北にいる家族のうちで多くの人々が残ることになったのです。時を同じくして、お父様は平壌に上って行かれ、私は南に下ることになったのです。私は当時6歳の少女だったのです。簡単に終えようと思ったのですが、一言言い漏らしてはならないことがあります。

 天が役事をさせ、エバの使命、言い換えれば、来られるメシヤに完全に仕える準備をする団体が、北には多くあったのです。私の知っている2つの有名な集団があったのですが、それは私のお母さんとお祖母さんが直接関係をもった集団だったので、私もよく知っています。それが、金聖道ハルモニ集団(聖主教団)と許ホビン・ハルモニ集団(腹中教)という、2つの女性の集団だったのです。この2つの集団と、私のお母さんとお祖母さんが直接関係をもって、その中心メンバーとして大変熱心に仕事をしていたと理解しています。特に、許ホビン集団にあって、そのように一生懸命に活動したのです。その時から、主に侍る準備をしていたのです。

 ところがその時、許ホビン集団が、「社会を撹乱させる団体」ということで、共産党によって迫害を受けて、許ホビンさんが牢屋に入れられました。その時、お父様も「社会を混乱させる人物である」という同じ罪状で、同じ牢屋に入れられました。それでお父様が手紙を書いて、密かに許ホビンさんに送ったのです。「すべてのことを否定し、どんなことを言ってもいいから、何とかして牢屋から出なさい」という内容だったのです。それが見つかり、お父様は看守長によってひどく殴られ、その時、お父様の歯が折れました。

 許ホビンさんが牢屋に入ってからは、彼女の母親が代わりに啓示を受けながら、役事を継承したのです。その時、私は6歳の少女だったのですが、今も思い出します。そのおばあさんが白い着物を着て私を呼んで、屋根裏部屋のような所に連れていって、私に祝福の祈祷をしてくれたのです。

 その時は、それが何の役事なのか、よく分からなかったのですが、今になって考えてみると、趙漢俊ハラボジが天の前に精誠を尽くした基準と、それに加えて、また復帰摂理歴史において、エバの使命を背負って、人知れず天の啓示を受け、準備してきた人たちの苦労が積もって、私も知らない間に天が役事されたのではないかと思います。そのように、私を立てて祝福した基準があって、現在の私になったと思われます。皆さんも知っているとおり、お父様と私は年齢の差も大きいでしょう? 会わなければならない、会わざるを得ないような、天の神秘な摂理があって、絶対に無視することのできないこの座に立っているのではないかと考えるのです。

 きょうのお話の中で、皆さんが特に覚えてほしい内容は、3枚の銅銭を惜しむような条件に引っ掛からない、100%の信仰を常に維持し得る基準をもって、すべてのことに臨んでくれることを願って、このような例を挙げたのです。

 最後に、歌を一曲歌って出発したいと思います。(「愛の迷路」と、アンコールソング「しあわせってなんだろう」を歌われる)

 それから、私の考えでは、果物のうちで、りんごだけがあらゆる味を含んでいるように思います。その味に加えて、父母様の愛を込めて皆さんに差し上げますから、おいしく食べてください。きのうは、りんご園に行って、熱心に収穫しました。体で働くことだけで済ます方が、もっとたやすくて、楽だったのですよ。私は幼い時、りんごが大好きだったのです。


「真の母(韓鶴子女史)のまなざし」より