韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

救援摂理史の原理観④

タマルの信仰

 ヤコブは、アベル以後、善の側に立った多くの人の犠牲と蕩減条件の基台の上に立ったので、先に占有したサタンに追いついて、双子の兄であるエサウを相手にするようになったのです。結果的にヤコブは、ヤボク川で天使を屈服させる霊的勝利の条件と、実体の天使長の体であるエサウを屈服させることによって、歴史始まって以来、初めて勝利したというイスラエルの祝福を受けるようになりました。

 しかし、その時は、既に年が40代でした。サタンの偽りの愛の種エバの胎中に蒔かれて悪の生命が生まれたので、神様は母の胎中まで入っていって分別しておかなくては、天の息子が胎中で誕生することができないのです。ですから、ヤコブの勝利によっても、まだ分別されていない妊娠から40代までの期間も、サタンの分立がなされなければなりません。

 結果的にこの責任を任された偉大な母がタマルです。タマルはユダの長男のエルと結婚しましたが、エルは神様にふさわしい人ではなかったので死んでしまいました。当時の慣例に従い、ユダは次子のオナンをタマルに与えて子供を生むようにしましたが、オナンは生まれる子供が自分のものにならないことを知り、精子を地に流しました。これが神様の前に罪となってオナンも死んでしまいます。

 タマルは、ユダの3番目の息子のシラと一緒になろうとしましたが、ユダは、シラをタマルに与えませんでした。タマルによって二人の息子たちが死んだと考えたユダは、シラまで死んで家系が絶たれることを心配したからです。タマルは、選民の血統を続けなければという一念から、売春婦に変装して、舅であるユダを迎え、双子の赤ん坊を身ごもりました。赤ん坊たちが生まれる時、先に手を突き出して出ようとした長子の赤ん坊が再び入り、弟になるべき次子の赤ん坊が兄になって先に生まれたのですが、彼がペレヅです。

 タマルの胎中で長子と次子が争って、分立される胎中復帰がなされたのです。このような条件の上に、選民の血族を集め、二千年後にローマ帝国の国家基準に対峙するイスラエルの国家的土台の上に、メシヤを身ごもることができたのです。神様の息子の種が準備された母親の胎中に、サタンの讒訴のない立場を探すことができるようになった国家的勝利の土台が造成されたのです。このような基盤の上に、聖母マリヤが摂理の主流に登場するのです。

エス様の誕生と氏族の責任

 ヨセフと婚約したマリヤは、自分の身を通してメシヤが生まれるという(ルカによる福音書第1章31節)ガブリエル天使長の驚くべきメッセージを受けました。処女の立場で赤ん坊を身ごもれば、死ぬしかないという当時の規則でしたが、「わたしは主のはしためです。お言葉どおりこの身に成りますように」(ルカ1・38)と言いながら、絶対信仰で神様のみ意を受け止めました。マリヤは、親族であり、尊敬される大祭司長のザカリヤに相談しました。

 ザカリヤの家庭では、その夫人のエリサベツが神様の能力によって妊娠し、洗礼ヨハネを胎中に身ごもったまま、マリヤに対して「あなたは女の中で祝福されたかた、あなたの胎の実も祝福されています。主の母上がわたしのところにきてくださるとは、なんという光栄でしょう」(ルカ1・42、43)とイエス様の懐胎を証しました。このように神様は、マリヤとザカリヤとエリサベツをして、メシヤの誕生を一番先に知らせました。彼らは、イエス様によく侍り、神様のみ旨によく従わなければならない重大な使命をもった者たちでした。ザカリヤ夫婦は、マリヤを自分たちの家にとどまらせました。

 イエス様をザカリヤの家庭で懐胎しました。エリサベツとマリヤの間柄は、母親側のいとこの関係でしたが、摂理上では、姉(カイン)と妹(アベル)の関係でした。ザカリヤの前でエリサベツの助けを受けたマリヤは、レアとラケルヤコブの家庭で母子が一体になれなかったのを、国家的基準でザカリヤ家庭を通して蕩減する条件まで立てながら、イエス様を誕生させなければなりませんでした。

 歴史始まって以来、初めて神様の息子の種、真の父となるべき種が、準備された母の胎中に、サタンの讒訴条件なく着地したのです。それによって、地上に初めて、神様の初愛を独占することのできるひとり子が誕生するようになったのです。


韓鶴子総裁講演集」より