韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

理想世界の主役となる女性⑤

 今日、米国、ヨーロッパなど世界の先進国を見てください。四方八方から押し寄せてくるフリー・セックスと淫乱の波を、誰が防ぐことができるでしょうか。末梢神経を刺激する享楽主義、乱れた愛すら物足らず、麻薬や覚醒剤を求める、人間史上における世紀末の世界になっているのです。

 それは全て、肉体を死の道に引き込んでいくことなのです。決して心が願う道ではありません。心は、身もだえしながら慟哭しているのです。天理の大道によって、人間を本然の始発地である神様の懐に導いていかなければならない良心の使命と召命は、全て失敗してしまいました。

 誰かが現れて、世界人類を、このような堕落の環境から救いの道に導かなければなりません。メシヤとは堕落してサタン側に立った人類は、渋柿に例えることができます。その中でも、神様が分立し、探し立てた人類が、宗教圏の渋柿であり、それは神様の所有権の中にある渋柿なのです。したがって、これは神様が自由に主管することができるのです。再臨の主が来られれば、一遍に切って接ぎ木しやすいように準備してきました。こうして渋柿が甘柿になり、本然の状態に帰っていくのです。

 それゆえに、宗教を信じる者も本来の真の父を探さなければなりません。なぜなら、彼らもまた、本来の真の父の生命の種を受けずに生まれたからです。本来の真の愛を中心として、神様の血筋と連結された真の息子、娘として一体理想をなし得ないのです。それゆえに、メシヤが来なければならないのです。

 皆様、メシヤとは何か御存じですか。メシヤは、真の父母として来られ、偽りの父母から生まれ、植えられた偽りの根を取り除き、本然の状態に復帰し、サタンを追放し、全てが歓迎することのできる、自由解放の天国世界を創建しなければならない、重大なる責任をもって来られるお方です。

 皆様、皆様も神様の愛、神様の生命、神様の血統を、そして真の父母の愛と真の父母の生命と真の父母の血統を受け継いだ息子、娘になれば、神様のように心と体が闘うことのない、真の統一の起点が生まれるのです。そして、自分の心と体が統一されたところから、永遠なる平和の世界は出発するのです。

地上天国は真の愛の家庭から

 尊敬する「世界平和女性連合」の皆様! 私たち全ては、父母の心情を抱き、僕の道理を果たしましょう。私たちの汗は地のために、涙は人類のために、血は天のために流しながら、天地創造の大いなる主人であられる私たちの父母の恨みを解放し、一つの平和世界を建設するために十字架を負い、救世の道に前進いたしましょう!

 私たちの目的地は、この世の果てですが、私たちの出発点は、正に自分の心と体が真の愛を中心として一つになるところから始まらなければならないということを、どうぞ忘れないでください。そして、自らの家庭が永遠なる幸福と真の愛の定着地になる時に、初めて私たちが願う理想の国、理想の世界が結実することを肝に銘じなければなりません。

 私たちの「世界平和女性連合」の運動は、遠からず、世界万民が参加する「世界平和家庭連合」の運動に昇華、発展し、五色の人種が永生を謳歌し、子々孫々が「ため」に生き、さらに、「ため」に生きんとする真の愛の世界を建設するのです。この歴史的な聖業に、私たち全てが決起し、先頭に立つことを決意いたしましょう。

 皆様と皆様の家庭に神様の祝福が共にありますことを祈願しながら、私の話を終わらせていただきます。御静聴、ありがとうございました。


韓鶴子総裁講演集」より

 

理想世界の主役となる女性④

宗教は堕落人間の修理工場

 人間は神様の真の愛を中心として、父子一体の関係をもって生まれたので、神様の心と体が真の愛によって自然に統一されているように、私たち人間の心と体も、真の愛によって自然に統一されなければならなかったのです。ところが、サタンの愛と生命と血統を受け継いだ堕落人間は、体はサタン側の、心は神様の側の一線に立って、絶えず闘っているのです。このように今日、「私」を中心とした愛は、心ではなく体と関係があるのです。この体が悪魔の舞踏場になってしまいました。悪魔の錨綱で結ばれた柱のようになってしまったのです。

 心は天を身代わりしてプラスの位置にあるのに、体は別のプラスになり、心をもてあそんでいます。これを御存じであられる神様が、修理工場としてつくられたのが宗教です。それゆえに、宗教は断食や犠牲、奉仕というように、体を打ち、体を心に克服させる教育をするのです。体の欲望を弱化させ、心のままに順応できるように、3年ないし5年以上かけて習慣性を伝授するものが信仰生活です。また休まず祈祷することを強調します。

当面の平和の世界

 神様は、縦的な立場のみにいらっしゃるので、心が通じなければ活動することができないお方なのです。サタンは、あらゆる所で活動しています。360度いつでも活動することができるので、サタンの活動の前には負けるようになっているのです。

 心は、垂直の位置にあるので一つです。垂直は、横的基盤ではないので、横的基盤に出ていくことはできません。そのため、環境に強い体の方に引っ張られやすいので、垂直の場において精誠を尽くし、祈祷し、3、4倍の力を心に受けて、体に対して自由に処理し、3年ないし5年かけて、心のままになせる習慣性を身につけなければなりません。この二つの方法以外に修理する道は、絶対にありません。それを修養する宗教の門を通過せずには、本来の人間の道を見いだすことはできません。

淫乱の国は滅びる

 哲学の道、知識の道、良心の道だけではできないのです。縦的な心と横的な体が一つにならなければなりません。ところで、人間の心と体が神様の理想の前に一つにならないようにさせた堕落の起源は何でしょうか。聖書には「善悪の実」を取って食べたからだとあります。それでは善悪の実を取って食べた時、どこを隠しましたか。本来ならば口や手を隠さなければなりませんでした。ところが、下半身を隠したのです。そして、サタンを中心として結婚をしたのです。これが悪の血統を繁殖する起源となりました。しかし考えてみると、人間において、真の愛と真の生命と真の血統の根源地は、正に愛の器官なのです。堕落によって、この神聖なるものでなければならないはずの愛の器官が、天理を破壊した凶悪な宮殿になってしまいました。

 悪の本拠地になってしまったのです。ここに偽りの愛、偽りの生命、偽りの血統が植えられてしまったのです。十代の未成熟期に人間始祖アダムとエバが堕落をしました。そのようにして、悪を植えつけたので、歴史的に見れば、人間社会に対する悪の血統がそこから広がっていきました。

 したがって、終末の収穫期になれば、全世界的に青少年たちが、アダム、エバのように愛の倫理を破壊し、退廃的風潮へと流れていくのです。このような現象を見ると、サタンの全権時代が、この地上に到来したということを知らなければなりません。そしてこの時こそ、神様が鉄槌を下す「審判の日」になるのです。歴史的に見れば神様の前に、淫乱の都市、淫乱の国は滅んできました。ソドムとゴモラが硫黄の火で焼かれたのも、ローマが滅んだのも、他の理由で滅んだのではありません。貞節を守り切れず淫乱で滅んでいったのです。


韓鶴子総裁講演集」より

理想世界の主役となる女性③

殉教の精神で訪朝

 親愛なる「女性連合」の皆様! 私が昨年(1991年)11月30日、夫と共に北朝鮮を訪問し、金日成主席をはじめ、その多くの指導者たちと会ったことを今振り返ってみますと、命懸けの冒険でした。皆様もよく御存じのように、文鮮明ミ総裁は、彼ら北朝鮮の指導者たちが最も怨讐としてきた宗教指導者であり、勝共指導者であったので、彼らは私の夫を抹殺しようと国の内外において、あらゆる工作をしてきました。

 そのような所に、ただ神様のみを信じて行き、「主体思想では統一できない。『神主義』においてのみ、統一は可能である」と主張することができたのは、ただ真に、彼らを生かし、「ために生きたい」という愛の心と、祖国統一の門を開くためならばどのような犠牲も甘受していくという、殉教の精神によるものです。「生きんとする者は死に、死なんとする者は生きん」というみ言を実践されたのです。

 真の愛こそが、地獄までも占領することのできる礎となります。皆様が真の愛を所有するようになれば、全ての悲しみや苦痛も、真の愛の中では、喜びに昇華されるのです。言い換えれば、この宇宙の個人的な権力、知識、財力などをもって主張する、それ以上の絶対的権限でもって残していきたいものが、人間本性からの要求である真の愛に他なりません。

 このような観点から見る時、歴史を通じて人間を救おうとされる神様の戦略戦術と、これに反対する悪魔の戦略戦術は、正反対に行われてきました。神様の戦略戦術は、「打たれて奪ってくる」作戦であるのに対して、サタンは、「先に打って奪われる」のです。

 思想戦を含めた第1次、第2次、第3次世界大戦を考えてみてください。まず先に打った方が滅んでいきました。しかし、神様は奪われたからといって、彼らを殺して奪い返してくるのではありません。神様は、宇宙の主人として堂々と現れ、「打って奪ってくる」能力を持ちながらも、逆に打たれてきました。

 父母は、犠牲になることにより、親不孝者を悔い改めさせる道を行かれます。神様は、天理の公道を立てるために、自らサタンを訪ねられ、「主人が来たらこうしなさい、ああしなさい」と教えてくださいます。

 しかし、歴史的に見ると、教えるために出掛けて行った主人の方が、むしろ打たれてきたのです。しかし、打たれたのちはどうなるか御存じですか。損害賠償までも受けるというのです。

 孔子も多くの迫害を受けました。イエス様は、ローマ帝国から反乱罪として追われ、殺されました。全ては歴史が過ぎたのちに、聖人という名がつけられるようになったのです。その当時に聖人となった人が、どこにいるでしょうか。

 このように、彼らはその当時においてはみな、悲惨に死んでいきましたが、歴史と時代を経ながら、少しずつ上がっていきました。損害賠償を請求するのに、「10年、20年で終わらせてほしい」とは言いません。期間が延びれば延びるほど、世界を完全に占めるようになるのです。

 このように、神様は忍耐しながら訪ねてこられるお方です。「打たれて奪ってくる」戦略戦術を取られるお方です。悪なるこの世が全面的に迫害し、破壊しようとすれば、神様の方は天運を開き、全てを戻して、跳躍させてくださいます。

天理の大道は怨讐を助ける

 神様は私と夫にも、そのような多くの体験をさせてくださいました。迫害を受けるということは、怨讐の所有権を相続する神の秘法なのです。このようにして、神様が愛される人は、常に天運の保護を受けるのです。

 殺してしまいたいような怨讐がいても、神様はなぜ罰を与えないのかというと、それでも彼らを愛するその父母や妻、息子、娘がいることを御存じだからです。神様こそ涙の谷間を越えてこられたお方であるので、その怨讐を、誰よりも愛する父母や妻子の心情を体恤される時、むち打つことができないのです。

 そのような神様の心情を真に感じるようになれば、怨讐を打つことができるでしょうか。それを思うと、逆に人を送り、怨讐を助けてあげなければならないのです。そうしてこそ、天理の大道であり、愛を中心として一つに抱こうとする、その道に自分自身が近づくようになり、そこでは天地も振動し、神様も涙を流されるようになるのです。御自身に似たと神様も喜ばれるというのです。このような立場で見つめられる神様なので、怨讐を愛しなさいという言葉が理解できるのです。そのような力が出てくる所は、知識でもなくお金でもありません。また権力でもありません。真の愛の中にのみあるのです。

神の真の愛の同伴者

 真の愛を中心として、神様とアダムとエバが出会い、定着することができる交差点は、垂直と水平を連結した90度の角度しかありません。この点は、真の愛を成立させる公式点です。

 神様は縦的な真の愛の父母であられ、アダムとエバは横的な真の愛を中心とした父母なので、このような二つの父母の愛と生命と血統を受け継いで生まれた自分の心は、縦的な私となり、体は横的な私となって、この縦的な「私」と横的な「私」が90度の角度の位置で統一体となる時、人間は永遠な神様の「真の愛の同伴者」となります。神様は真の愛と真の生命と真の血統をもっていらっしゃり、私たちもそこから出たので、私たちの中にも真の愛があり、真の生命があり、真の血統がなければならないのです。


韓鶴子総裁講演集」より

理想世界の主役となる女性②

相続権・同居権・同参権

 親愛なる「世界平和女性連合」の皆様! 「女は弱し、されど母は強し」という言葉があります。女性自体はか弱い者ですが、もしも女性が、母として愛の主体的立場に立ったり、また妻や娘として愛の中心的役割を果たそうとする時には、女性はこの上なく強くなるものです。なぜならば、女性が母、妻、娘として愛の主体的立場を取り、相対のために100%与え尽くした時、その空白を神様の愛が埋め尽くしてくださるからです。

 神様の愛の能力が発動し始めるのです。だからこそ女性であったとしても神様に似て、熱い愛の主体的立場を取るようになれば、その愛の偉大な力は家庭を生かし、国を生かし、世界を生かす驚くべき力として現れます。

 神様は、このように人間のための愛の主体的な立場にいらっしゃって、与えてもまた与えようとなさる本性が、その作用を続けることにより、永存することができるのです。ゆえに、真の愛の道には永生の論理が成立するのです。神様と真の愛の同伴者として造られた人間が、神様の願いどおりに成熟し、絶対不変の真の愛を神様から相続していたならば、私たちの人間世界には、根本的な統一の歴史が展開され、戦争や血を流すような悲惨な歴史はなかったことでしょう。

 真の愛を中心として、心と体が一つになれば、皆様は神様御自身の愛の同伴者となり、永遠の対象になれます。そればかりでなく、神様の永遠なる愛を相続する者となります。愛の属性には相続権があり、同居権があり、また同参権があります。愛する夫が大統領であれば、たとえその妻が小学校すら出ていなくても、愛する夫婦の関係になれば、夫のものは妻のものとなり、昼夜いつでも共に同居できることはもちろん、同参する権限もあるのです。

 愛にはこのように、相続権、同居権、同参権という偉大なる3大属性があるので、神様の絶対的愛、不変なる真の愛と一致した立場に立つようになれば、神様がいらっしゃる所に自分自身も加担することができ、いつでも同居し、同参することのできる権限をもつようになります。

体は心の共鳴体

 神様の悲痛なる心情を体恤(注:血肉の一部となるほどまでに実感するの意)した者は、道を歩きながらも突如として立ち止まり、慟哭する、そのような体恤の世界があるのです。堕落したこの世の中でも、母の愛は、もし、子供が見知らぬ地で不慮の事故に遭えば、それが母の直感で分かるような場合がたくさんあります。寝ていながらもその名前を呼び、叫んで目覚めるのです。もし、神様のような本質的な真の愛、1000年、1万年も「ため」に生き、さらにまた「ため」に生きようという、そのような真の愛を、自分自身の心と体に、100%吸収することのできる内容を持つようになれば、心には神様の真の愛の根が芽生え、神様が感じた全てのことに通じ、体は自動的にそこに共鳴するのです。心の世界の真の愛を中心として、共鳴体になるように創造されたのが体です。心と体の統一世界を成すためには、神様の本質的な真の愛を回復すべき課題が残っていることを、知らなければなりません。

 このような真の愛に共鳴する論理を中心として見たとき、私たち人間がそこに一体化し、共同一体圏に入れば、神様の愛は自分自身の愛となり、神様の生命が私の生命となり、神様の血統が私自身の血統となり、神様の所有である被造世界が、私の被造世界であるということができるのです。したがって、天下を抱く父と母の心をもち、天国に入籍するようになっているのです。

犠牲により愛の等級が高まる

 それでは愛が先ですか、生命が先ですか。それは愛が先であるというのです。なぜなら人間の生命は愛によって、愛の理想を中心として受胎したものなので、人間の生命の本質は正に愛なのです。それゆえに、愛を本質として生まれた生命は、「ために生きる」のが天理であり、人間は生まれた時から相手のために生まれたのです。

 自分は自分自身のためにのみ生まれたとか、全てが自分だけのためのみに存在しなければならないとするならば、決して愛の概念は成立できません。相手のためにしてあげ、他のために犠牲になろうとするところから、愛は誘発され始めるのです。家庭のために犠牲になる人は、家庭の愛を誘発させることができ、同志のために犠牲になる人は、同志の愛を誘発することができるのです。他のために犠牲になれば、全てを失うようですが、それは全く正反対です。むしろ愛の主体となり、全ての主人になるだけでなく、さらに高い次元に飛躍するようになります。

 愛というのは、より大きなもののために犠牲になればなるほど、その愛の等級が高まっていくのが原理です。より大きなもののために犠牲になれば、それに吸収されていくのではなく、却って、その大きなものの中心の場に立って、新しい次元を迎えるようになるのです。

 キリスト教が“復活の宗教”になったのも、「他のために犠牲になりなさい」と教えているからです。罪のないイエス様は死の十字架に向かう立場にあっても、「わが父よ、わたしの思いのままにではなく、みこころのままにして下さい」と祈祷しながら、自分を槍で刺すローマ兵に対してさえも、「父よ、彼らをおゆるしください。彼らは何をしているのか、わからずにいるのです」と、むしろ神様に懇願したのです。

 これが正に、神様のように「ため」に生き、犠牲になって生きる生涯の標本であり、復活の歴史をつくり出す起源になり、キリスト教の核心的伝統思想になったのです。他のために命までも捧げ、犠牲になる時に、さらに高い次元の命を得るようになっているのです。


韓鶴子総裁講演集」より

理想世界の主役となる女性①

世界平和女性連合創立記念日本大会」
1992年9月24日、東京ドーム

和解と協力の時代

 尊敬する内外の貴賓の皆様! ならびに、「世界平和女性連合」、「アジア平和女性連合」の皆様! きょう、このように各界の女性指導者の皆様が御列席の中、世界平和のために、私(韓鶴子総裁)の所信の一端をお話しできますことを無上の栄光と存じます。

 きょう、私がお話し申し上げる題目は、「理想世界の主役となる女性」です。今日の時代は、今、正にイデオロギーの障壁や言語、文化の違い、また人種の葛藤を越え、一つの世界に突入する重要な転換期を迎えています。私たち全人類は今や、この地上にあらゆる戦争と抑圧と搾取がなくなり、ひたすら真なる自由と平和と繁栄だけが約束される未来となることを念願しているのです。

 今日まで、私の夫である文鮮明総裁が主唱してきた「神主義」の理念は、これまでの力の論理を基本とした男性たちによる激しい反対と迫害を克服し、脱冷戦時代の門を開く決定的な役割を果たしてきました。和解と協力を指向する今日の歴史的な転換の時代に、私は「神主義」を基本とした永遠なる平和世界建設のための大原則を提示し、未来の世界を開拓していくべき女性たちの指針として戴くために、文総裁が発表した「頭翼思想」を、いま一度、皆様にお伝えしたいと思います。

自然界は愛の創造理想のモデル

 本来、神様は喜びを分かち合うために、愛する相対を造られました。彫刻家が傑作品一つを作るために昼夜を分かたず、力を消耗し全身全霊を投入するのですが、その力はいったいどこから出てくるのでしょうか。それは喜びを味わうために、愛の対象を創造された神様の心に似たからではないでしょうか。

 存在する世界を見てみますと、鉱物界、植物界、動物界、そして人間世界までも全てペア(対)になっていることが分かります。なぜ、全てがペアになっているか、お分かりですか。お互いに、愛を中心として作用するためです。

 鉱物界ではプラス・イオンとマイナス・イオンが作用します。元素と元素同士でも、互いにどれとでも結合するわけではありません。相対的要因が合わなければ、たとえ神様でも命令することはできないのです。その反対に、相対的要因が合うときには、神様ですらも止められません。

 次元は低いのですが、このように鉱物界の作用も、愛の創造理想のモデルになるようにつくられました。それゆえに、真の愛の本質を中心とする時に、神様の心情と、人間の心情と、全ての万物、動物界までも、互いに通じるようになっているのです。皆様が、そのような心情世界に入れないのが問題なのです。深い神秘の境地に入るようになると、森羅万象が全て友となります。喜びにあふれた愛の境地に入ると、自分が笑えば、全ての万物と神様までもが和動するのです。

真の愛が絶対価値の中心

 皆様には愛する夫や妻がいらっしゃることでしょう。どれくらい愛していらっしゃいますか。愛する妻を10億、1000億のお金と取り替えることができますか。心から愛する夫を、「天地の全てをあげるから」と言われて取り替える妻がいるでしょうか。

 よくよく考えてみれば、男性は女性のために生まれ、女性は男性のために生まれました。全てが「ため」になそうとする真の愛のゆえです。男女が陰陽の調和によって、愛の理想をなすために、神様がそのように創造されたのです。真なる男女を通してのみ、統一的な真の愛を見いだすことができ、神様と人間も真の愛を中心として、統一が成立するのです。結婚とは、男女の絶対価値である真の愛を、横的に連結したのちに、神様の縦的絶対価値である真の愛を占領しようとするものです。

 このように絶対者であられる神様は、真の愛を絶対価値の中心として最高に貴い立場に立てられました。真の男性と真の女性と神様が真の愛を中心として完全に一つに統一されるところに、私たちの人生観、宇宙観、神観など、あらゆる問題の解決の糸口を見いだすことができるのです。

「ため」に生きれば無限の力がわく

 神様の真の愛は、投入してもまた投入し、与えてもまた与えて忘れる愛です。与えたという記憶が残っている限り、愛は無限に回ることはできません。愛は無限に運動するので、与えたという記憶がとどまっていてはいけないのです。与え、また与え続けても記憶に残っていないがゆえに、無限にわき出て流れていくのです。それゆえに、真の愛が行くべき道は、施しを受ける道ではなく、「ため」に生きようとする犠牲の道なのです。ですから神様も、愛の相対を創造される時は、神様御自身が「ため」に生きようとする立場に立たれて、神様が所有していらっしゃる全てを100%投入し、さらに投入したいというのです。

 なぜならば、愛する対象が自分よりも良くなることを願うからです。このような心をもたれた本然の中心存在が、天地を創造された神様なのです。ゆえに真の愛は、「ため」に生きることにおいても100%、1000%、全てを与え、真空状態になるのです。空気でいえば、絶対低気圧が生ずれば、高気圧は自動的に発生し循環運動が行われるのと同じ道理です。そのために絶対的に「ため」に生きようとするところには、台風のような無限の力が発動するようになっています。


韓鶴子総裁講演集」より

女性にゆだねられた世界の平和④

 今日、誰も解決することのできない、最も深刻な社会問題となっているのは、家庭崩壊の現象です。人類の生存する基盤が、その根っこから揺れ動いているのです。アメリカにおいて家庭の価値や社会道徳問題が、大統領選挙の最も深刻な争点となっているのも、このためです。

 しかもこれは、アメリカやヨーロッパに限った問題ではなく、全人類的な危機なのです。日本や韓国も、その例外ではありません。経済発展と同時に、道徳的な危機を憂慮しなければならない段階を迎えています。これを防ぐ道は、摂理史的観点からの「神主義」と、「頭翼思想」を教えること以外にありません。特に青少年に対する道徳教育は、とても切迫した状況にあります。

 ところで私(韓鶴子総裁)は、少し前に日本で開かれた柳寛順の精神をたたえる大会が、国民の多くから大きな反響を得たと聞いて驚きました。東洋のジャンヌ・ダルクといわれる柳寛順は、青少年たちの愛国心を鼓舞するにはとても良い手本ですが、私をもっと深く感動させたのは、過去のぎくしゃくした関係を跳び越え、韓日間の新しい相互理解の道を開こうという、日本人の先進的な姿勢と、その幅広い包容力です。

 今、世界の深刻な家庭問題を解決するため、特に日本の女性の皆様が先頭に立ってくださることを望んでやみません。それは皆様が、長い歴史を通じて愛と犠牲の精神で皆様の家庭と国を守ってきた、世界で最も立派な女性の伝統をもっているからです。

 皆様の国が第二次大戦の廃墟から立ち上がり、世界第一の経済大国にまで発展した、その隠れた主人公の役割を果たしたのは、正に女性の皆様方であったことを、私はよく知っています。伝統的に守られてきた皆様の犠牲と奉仕の美徳を、今や世界の全人類のために、与え、また与えるという、世界的愛の次元に昇華していくべき時なのです。

理想家庭による世界平和の建設

 過去の20世紀を通じて、男性たちが成し遂げられなかった世界平和の建設は、今や私たち女性の手にゆだねられています。理想家庭を通じた世界平和の建設は、私たちに与えられた天命なのです。

 一般的に男性は自己中心的な生活をしますが、女性たちは自己を犠牲にする生き方をします。それゆえこれからは、自己のために全体を犠牲にするのではなく、全体のために自身を犠牲にするような真の愛を発揮する、新しい時代が出発するのです。

 私たち全員が、誰よりも先に「頭翼思想」で武装して立ち上がり、平和の世界の主役とならなければなりません。

 退廃の一途をたどる家庭倫理を、私たちが回復しなければなりません。蔓延する麻薬とエイズの病弊も、私たちが先立って防いでいかなければなりません。発展の道にさまよう青少年たちを、私たちが正しく導いてあげなければなりません。

 今や女性たちが主体的に立って、世界平和に貢献する新しい転換の時代が来ました。誇らしきこの平和の隊列に、すべての皆様が参加し、先頭に立ってくださることを切に望んでやまない次第です。

 これから開催される全国の講演会のために声援を送ってくださった皆様に、もう一度感謝を申し上げ、皆様と皆様の御家庭に神様の祝福がありますようにお祈りいたします。御静聴ありがとうございました。


韓鶴子総裁講演集」より

女性にゆだねられた世界の平和③

 敬愛する日本の女性指導者の皆様! 今この瞬間にも文総裁は、日本がアジアと世界から最も尊敬される国になるようにと、先頭に立って道を整えていらっしゃいます。また日本の若者たちが正しい道を行くように、昼夜を分かたず教えていらっしゃいます。

 あの純粋で、健康に活動する若者たちを見てください。総裁が整えておいた世界的な基盤を通じて、既に数多くの日本の若者が世界に出ていき、全世界の人々から愛と尊敬を受けながら活躍しているのです。

 文総裁は、きょうのこの夕べにも、皆様一人一人に、本当に日本を生かす道が何であるのか、お知らせしたいことがたくさんあるのです。私は、夫がこの国と国民をどれほど愛しているか、よく知っております。

 ところで今夜は、その深く大きな愛をすべて伝えるにはあまりに不足な私(韓鶴子総裁)だけが、一人でこの壇上に立っています。一部の偏見にとりつかれた人々が、何も知らないままに反対と迫害をしていますが、文総裁の愛と真意が理解される日が一日も早く来ることを望む次第です。

 皆様! 日本がアジアに出ていくには、韓国と一つになって出ていってこそ、より多くの友を得、より多くの基盤をつくることができるのです。近くて遠い国が、これからは近くて近い国となって、アジアの未来を共に背負って進んで行かなければなりません。

 日本は何よりも韓国の統一に大きな力を注ぐべきであると信じます。過去の日本の韓半島支配が結局、分断の悲劇を招いてしまったことからくる痛切な心の傷は、皆様が統一のために誠を尽くす努力で、すっかり癒やされることでありましょう。

 そのためにはまず、この国にある在日本大韓民国民団(民団)と在日本朝鮮人総連合会(朝総連)が一つになるようにし、統一のための基盤を整えなければならないでしょう。韓国と日本が互いに競争すれば、互いにもっているものをすべて失ってしまいます。けれども2つの国が力を合わせれば、アジアと世界の平和建設の最も偉大な主役となり得ることでしょう。

アジアからの新しい女性運動

 古くから世界の精神文明を主導してきたアジアから、世界を動かす新しい女性運動、新しい家庭運動、新しい平和運動が起こるのは、歴史の必然です。この間に私が繰り広げてきた世界的女性運動は、男性の権威に対する挑戦や、女性の権利のみを強調する女権拡張運動とは、根本的にその性格を異にしています。

 今まで西欧社会で発展してきた女性運動は、相克的で、互いに衝突し合う闘争精神を反映した運動ですが、私たちの運動は、互いに応じ、補い合う、東洋の調和の原理が土台となった、和合の女性運動なのです。男性たちができること、また女性たちだけができることを発見し、男性たちと相互補完的に協力して真の家庭を建設しよう、ということをその理想としています。


韓鶴子総裁講演集」より