韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

理想世界の主役となる女性①

世界平和女性連合創立記念日本大会」
1992年9月24日、東京ドーム

和解と協力の時代

 尊敬する内外の貴賓の皆様! ならびに、「世界平和女性連合」、「アジア平和女性連合」の皆様! きょう、このように各界の女性指導者の皆様が御列席の中、世界平和のために、私(韓鶴子総裁)の所信の一端をお話しできますことを無上の栄光と存じます。

 きょう、私がお話し申し上げる題目は、「理想世界の主役となる女性」です。今日の時代は、今、正にイデオロギーの障壁や言語、文化の違い、また人種の葛藤を越え、一つの世界に突入する重要な転換期を迎えています。私たち全人類は今や、この地上にあらゆる戦争と抑圧と搾取がなくなり、ひたすら真なる自由と平和と繁栄だけが約束される未来となることを念願しているのです。

 今日まで、私の夫である文鮮明総裁が主唱してきた「神主義」の理念は、これまでの力の論理を基本とした男性たちによる激しい反対と迫害を克服し、脱冷戦時代の門を開く決定的な役割を果たしてきました。和解と協力を指向する今日の歴史的な転換の時代に、私は「神主義」を基本とした永遠なる平和世界建設のための大原則を提示し、未来の世界を開拓していくべき女性たちの指針として戴くために、文総裁が発表した「頭翼思想」を、いま一度、皆様にお伝えしたいと思います。

自然界は愛の創造理想のモデル

 本来、神様は喜びを分かち合うために、愛する相対を造られました。彫刻家が傑作品一つを作るために昼夜を分かたず、力を消耗し全身全霊を投入するのですが、その力はいったいどこから出てくるのでしょうか。それは喜びを味わうために、愛の対象を創造された神様の心に似たからではないでしょうか。

 存在する世界を見てみますと、鉱物界、植物界、動物界、そして人間世界までも全てペア(対)になっていることが分かります。なぜ、全てがペアになっているか、お分かりですか。お互いに、愛を中心として作用するためです。

 鉱物界ではプラス・イオンとマイナス・イオンが作用します。元素と元素同士でも、互いにどれとでも結合するわけではありません。相対的要因が合わなければ、たとえ神様でも命令することはできないのです。その反対に、相対的要因が合うときには、神様ですらも止められません。

 次元は低いのですが、このように鉱物界の作用も、愛の創造理想のモデルになるようにつくられました。それゆえに、真の愛の本質を中心とする時に、神様の心情と、人間の心情と、全ての万物、動物界までも、互いに通じるようになっているのです。皆様が、そのような心情世界に入れないのが問題なのです。深い神秘の境地に入るようになると、森羅万象が全て友となります。喜びにあふれた愛の境地に入ると、自分が笑えば、全ての万物と神様までもが和動するのです。

真の愛が絶対価値の中心

 皆様には愛する夫や妻がいらっしゃることでしょう。どれくらい愛していらっしゃいますか。愛する妻を10億、1000億のお金と取り替えることができますか。心から愛する夫を、「天地の全てをあげるから」と言われて取り替える妻がいるでしょうか。

 よくよく考えてみれば、男性は女性のために生まれ、女性は男性のために生まれました。全てが「ため」になそうとする真の愛のゆえです。男女が陰陽の調和によって、愛の理想をなすために、神様がそのように創造されたのです。真なる男女を通してのみ、統一的な真の愛を見いだすことができ、神様と人間も真の愛を中心として、統一が成立するのです。結婚とは、男女の絶対価値である真の愛を、横的に連結したのちに、神様の縦的絶対価値である真の愛を占領しようとするものです。

 このように絶対者であられる神様は、真の愛を絶対価値の中心として最高に貴い立場に立てられました。真の男性と真の女性と神様が真の愛を中心として完全に一つに統一されるところに、私たちの人生観、宇宙観、神観など、あらゆる問題の解決の糸口を見いだすことができるのです。

「ため」に生きれば無限の力がわく

 神様の真の愛は、投入してもまた投入し、与えてもまた与えて忘れる愛です。与えたという記憶が残っている限り、愛は無限に回ることはできません。愛は無限に運動するので、与えたという記憶がとどまっていてはいけないのです。与え、また与え続けても記憶に残っていないがゆえに、無限にわき出て流れていくのです。それゆえに、真の愛が行くべき道は、施しを受ける道ではなく、「ため」に生きようとする犠牲の道なのです。ですから神様も、愛の相対を創造される時は、神様御自身が「ため」に生きようとする立場に立たれて、神様が所有していらっしゃる全てを100%投入し、さらに投入したいというのです。

 なぜならば、愛する対象が自分よりも良くなることを願うからです。このような心をもたれた本然の中心存在が、天地を創造された神様なのです。ゆえに真の愛は、「ため」に生きることにおいても100%、1000%、全てを与え、真空状態になるのです。空気でいえば、絶対低気圧が生ずれば、高気圧は自動的に発生し循環運動が行われるのと同じ道理です。そのために絶対的に「ため」に生きようとするところには、台風のような無限の力が発動するようになっています。


韓鶴子総裁講演集」より