韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

女性にゆだねられた世界の平和④

 今日、誰も解決することのできない、最も深刻な社会問題となっているのは、家庭崩壊の現象です。人類の生存する基盤が、その根っこから揺れ動いているのです。アメリカにおいて家庭の価値や社会道徳問題が、大統領選挙の最も深刻な争点となっているのも、このためです。

 しかもこれは、アメリカやヨーロッパに限った問題ではなく、全人類的な危機なのです。日本や韓国も、その例外ではありません。経済発展と同時に、道徳的な危機を憂慮しなければならない段階を迎えています。これを防ぐ道は、摂理史的観点からの「神主義」と、「頭翼思想」を教えること以外にありません。特に青少年に対する道徳教育は、とても切迫した状況にあります。

 ところで私(韓鶴子総裁)は、少し前に日本で開かれた柳寛順の精神をたたえる大会が、国民の多くから大きな反響を得たと聞いて驚きました。東洋のジャンヌ・ダルクといわれる柳寛順は、青少年たちの愛国心を鼓舞するにはとても良い手本ですが、私をもっと深く感動させたのは、過去のぎくしゃくした関係を跳び越え、韓日間の新しい相互理解の道を開こうという、日本人の先進的な姿勢と、その幅広い包容力です。

 今、世界の深刻な家庭問題を解決するため、特に日本の女性の皆様が先頭に立ってくださることを望んでやみません。それは皆様が、長い歴史を通じて愛と犠牲の精神で皆様の家庭と国を守ってきた、世界で最も立派な女性の伝統をもっているからです。

 皆様の国が第二次大戦の廃墟から立ち上がり、世界第一の経済大国にまで発展した、その隠れた主人公の役割を果たしたのは、正に女性の皆様方であったことを、私はよく知っています。伝統的に守られてきた皆様の犠牲と奉仕の美徳を、今や世界の全人類のために、与え、また与えるという、世界的愛の次元に昇華していくべき時なのです。

理想家庭による世界平和の建設

 過去の20世紀を通じて、男性たちが成し遂げられなかった世界平和の建設は、今や私たち女性の手にゆだねられています。理想家庭を通じた世界平和の建設は、私たちに与えられた天命なのです。

 一般的に男性は自己中心的な生活をしますが、女性たちは自己を犠牲にする生き方をします。それゆえこれからは、自己のために全体を犠牲にするのではなく、全体のために自身を犠牲にするような真の愛を発揮する、新しい時代が出発するのです。

 私たち全員が、誰よりも先に「頭翼思想」で武装して立ち上がり、平和の世界の主役とならなければなりません。

 退廃の一途をたどる家庭倫理を、私たちが回復しなければなりません。蔓延する麻薬とエイズの病弊も、私たちが先立って防いでいかなければなりません。発展の道にさまよう青少年たちを、私たちが正しく導いてあげなければなりません。

 今や女性たちが主体的に立って、世界平和に貢献する新しい転換の時代が来ました。誇らしきこの平和の隊列に、すべての皆様が参加し、先頭に立ってくださることを切に望んでやまない次第です。

 これから開催される全国の講演会のために声援を送ってくださった皆様に、もう一度感謝を申し上げ、皆様と皆様の御家庭に神様の祝福がありますようにお祈りいたします。御静聴ありがとうございました。


韓鶴子総裁講演集」より