韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

世界平和は真の家庭から①


世界平和女性連合創立三周年記念晩餐会」スピーチ
1995年9月13日、東京、全日空ホテル

 ジョージ・ブッシュ大統領御夫妻、外交官、御来賓、そして紳士、淑女の皆様!

 今日、「世界平和女性連合」は創立3周年を記念する意義深い場を設けることができました。今まで本連合の成長のため、様々に声援を送ってくださった皆様すべてに、心から感謝を申し上げます。

3年間の大きな変化

 過ぎし3年間にわたり、「世界平和女性連合」は163カ国に支部を置いた世界的な組織として、既に驚くべき発展を成し遂げました。初め、私たちが出発するときは「女性連合」というその名自体に多くの人々が懐疑的でした。まず「女性連合」という言葉自体があまりに大げさな名だというのです。さらに、女性たちが世界平和を論ずるということは、想像することさえ困難だというのです。「女性」たちとは、家の中で夫と子供たちの面倒を見て、「家庭の平和」だけを成し遂げても、期待以上だという思考方式でした。

 しかし、世の中は非常に変わりました。今日の女性たちは家庭の面倒を見ながらも、調理師から仕立て屋、運転手まで、または教師、弁護士、会計士、そして政治の一線に立っても国会議員、大臣の仕事まで、てきぱきと上手にこなしています。大統領、首相の職務であっても、任せられさえすれば、かえって男性よりも上手にすることができると思います。

 ただ、女性たちに、男性たちより一つだけ異なる点があるとすれば、女性たちはいつも、人よりも前に出しゃばらないということです。あらゆる機会をいったん男性たちに先に譲歩してきたという点です。違いますでしょうか。

男性の援助に感謝

 過ぎし3年間は、私たちすべてに多くのことを学ばせた大変貴重な期間でした。宣伝する方法も学び、組織をつくる技術も身につけました。様々な団体、または他の国の機関と協力することにも慣れ、討論会を進行する場合は、既に専門家になりました。もちろん、この期間、私たちの夫たちも家庭で多くのことを学んだと信じます。赤ん坊のおむつを、ほど良い時に換えることだとか、洗濯をきれいにすることが、それほど簡単ではないということを会得したことでしょう。

 今日、この場で明らかなことは、このように犠牲的に世話をやいてくれた夫たちの支持と声援がなかったなら、私たち「女性連合」はそのようには多くの事柄を成就できなかっただろうという点です。女性の皆様! 男性たちに熱い感謝の拍手をお送りください。

核心は真の家庭運動

 「世界平和女性連合」は文字どおり世界的な平和運動機構ですが、その運動の核心は真の家庭運動です。私たちは真なる家庭がすべての平和の根本だと信じます。ですから、私たちは、まず人類を一つの兄弟姉妹として結ぶための努力の一つとして、国際姉妹結縁運動を展開してきました。昨年は、日本と韓国の女性たち17万9000組が姉妹結縁を結びました。そして今年は、日本の女性約7000人が10数回にわたってアメリカを訪問し、アメリカの女性たちと姉妹関係を結びました。第2次世界大戦終結50周年記念行事の一環として計画されたこの行事は、今年の末まで続けられます。そして、この姉妹結縁運動は世界の全域で一層活発に展開されることでしょう。

 今、世界の女性たちが姉妹になっています。もし、女性たちが姉妹になるなら、男性たちは互いに争うことはできません。世界の女性たちが互いに一つになるなら、国家間において互いに銃を向けることはできないし、父母たちは彼らの息子、娘たちを見送る苦痛をこれ以上経験しなくてもよくなるでしょう。

 兄弟姉妹の皆様、21世紀を目前にして、私たちは今、困難な峠を越えつつあります。冷戦は終わりましたが、世界はずっと紛争と貧困、飢餓で満ちています。人種、宗教、そして文化間の葛藤が増えています。一層深刻な問題は、世界が価値観と道徳性の混乱に巻き込まれているということです。麻薬、10代の妊娠、そしてフリー・セックスやホモセクシュアルによって引き起こされるエイズは、すべての社会を脅かしています。他方、毎日5万人もの人々が飢えで死んでいます。そのうち3万5000人は5歳未満の幼い子供たちです。


韓鶴子総裁講演集」より