韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

真の父母と成約時代①

世界平和女性連合韓鶴子総裁巡回講演」
1993年9月11日、北海道大会、札幌ロイヤル・ホテル
12日、宮城県仙台大会、仙台サンプラザ
13日、福島県郡山大会、郡山ユラックス熱海


 尊敬する御来賓、そして紳士、淑女の皆様。
 このたび、招待講演会に、このように多数の方々がお越しくださいまして、心から感謝申し上げます。皆様が平和世界を建設するために献身される姿に接し、心から感動を覚えます。

 皆様も御存じのように、今日私たちが住んでいる世界は、平和で幸福な世界ではなく、葛藤と絶望に満ちています。私たちは、家庭崩壊と道徳的退廃の問題に直面しています。したがって、私たちがもし明るい未来を願うならば、何よりもまず、神様が人類を創造した根本目的を理解しなければなりません。

 人間は誰でも、自分の愛する者が自分よりも、もっと立派になることを願います。例えば、すべての親は、子供たちが自分以上に立派になることを願います。このような心は神様から来たものです。神様も、御自身が創造した子女である人間が、自分以上に、もっと立派になることを願っていらっしゃいます。

 さらに神様は、子女たちに限りなく与えようとされます。神様は100%与えたからといって、決して満足されません。御自身が持っているもの、その千倍をあげても、それ以上与えようとされます。

 神様の愛は、すべてを与え尽くしても、与えたという記憶すら忘れてしまう愛です。そして、永遠に与えたとは判断されない方です。

 よく分かってみれば、神様が被造世界を創造した目的は、愛の相対を得るためでした。神様が存在するものをみなペア・システムでつくられた目的は真の愛のためでした。

 したがって、父母は子女のために生き、子女は父母のために生きるようになっています。また、夫は妻のために、そして妻は夫のために生きなければなりません。すべての被造万物は「ため」に生きるように創造されたので、与えながら生きるようになっています。

神様の創造理想

 もしも、アダム家庭で、神様の真の愛の理想が成就されていたならば、その家庭は天国の出発点になっていたはずです。そして、このような天国家庭が歴史的な発展を経て、氏族的、国家的、世界的に拡大されていったことでしょう。さらに、地上ばかりではなく、霊界までも天国理想が展開したことでしょう。

 もし、神様の根本理想が完成していたならば、メシヤはもちろん、神様の救援摂理も必要なかったはずです。一家庭であっても、アダム家庭は正に真の愛を中心として「ため」に生きる家庭として、氏族、国家、世界の中心となったはずです。アダム家庭は、そのまま未来に誕生するすべての家庭の青写真となり、神様の理想世界を実現する手本になったはずでした。

人類歴史の誤った出発

 人類始祖の堕落のゆえに、神様の救援摂理が始まりました。救援摂理の歴史は、旧約時代、新約時代、そして今日、成約時代に至るまで、複雑多岐で苦難に満ちた路程を経ながら、延長に延長を重ねてきました。

 神様がアダム家庭を中心としてつくろうとされた真の家庭の理想と天国は、アダムとエバが神様から離れることによって、成就できませんでした。堕落のゆえに、今日の世界は、神様が理想とされた善の世界とはあまりにも掛け離れた世界になってしまいました。事実、今日の世界は偽りと利己的な愛に満ちています。それは、アダムとエバがサタンを中心として、利己的で偽りの愛を土台として、偽りの父母となったからです。彼らは善の代わりに悪を繁殖し、偽りの家庭をつくり、子孫に偽りの生命と血統を伝授しました。そして偽りの氏族、国家、世界が現れるようになりました。

 したがって、神様の救援摂理の最も重要な目的は、真の愛を中心として復帰されたアダムとエバを代表する真の父母を見いだすことです。そして彼らを中心として、真の家庭をつくることです。そうすれば、その家庭を出発点として、真なる氏族、国家、世界が展開されていきます。言い換えれば、神様の真の愛、真の生命、真の血統をはぐくむ種が創造されなければなりません。


韓鶴子総裁講演集」より