韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

真の愛による世界平和の実現②

世界の家庭が危機に直面

 第2次大戦後、日本は奇跡的な経済発展を成し遂げましたが、このことは社会の発展において、価値観がいかに重要であるかを示しています。日本の文化と国民性の特長は、家庭と国家を尊重し、より高い目的を中心として一致団結することにあります。このような価値観が、日本の家庭や学校で教えられるだけでなく、言論機関によって社会環境の中で強化されています。戦争で荒廃した日本が、短期間のうちに世界の経済大国となることを可能にしたカギは、西洋社会の個人主義とは対照的な、このような文化的価値観にあったのです。

 しかし、現在、日本は岐路に立っています。社会をまとめ、支えてきた文化的な絆(きずな)が次第に衰退しつつあります。日本を偉大な国にした価値観が、次第に、個人のみに重点を置く、利己的な価値観と生活様式にとって代わられつつあるのが現状です。悲しいことに、日本における家庭のあり方も危機に直面しています。過去20年間、道徳と倫理の水準が着実に低下してきました。年を経るごとに、これまでの社会を支えてきた価値観の構造が弱体化し、道徳が相対主義に陥りつつあるのです。

 御承知のように、家庭の絆が絶滅の脅威にさらされているのです。これは単に日本においてのみでなく、世界中に見られることです。年々増加する離婚率は、このことを示しています。夫婦はお互いの結婚に対してほとんど責任を感じなくなり、親は子供に対する本来のあるべき責任をもとうとしなくなりつつあります。

 のみならず、人間の尊さをわきまえない個人は、自分自身に対しても責任を取らなくなります。そのような家庭においては、親は子供にとって理想的な模範となることができません。その結果、子供たちは成長してから自分の親に対して反感をもつようになり、しばしば犯罪、麻薬、フリーセックスに走ることになるのです。

必要なのは神様による真の愛

 皆様、家庭の基礎は何でしょう。それは真の愛です。真の愛とは、他のために生きようとする無私の愛を特性とします。それは、絶対的であり、変わらないもので、利己的な愛や未熟な愛とは正反対です。真の愛は家庭を一つに保つ唯一の力です。夫婦が真の愛の中で一つになる時、その結婚は永遠となります。親が真の愛をもつ時、子供たちのために喜んで自分を犠牲にします。のみならず、真の愛で育てられた子供は、親からの愛を相続し、成長してから親を心から敬い、家族を尊敬するようになります。このような神様の真の愛を中心とした家庭こそが理想的な社会、国家、世界を築く基礎となるのです。

 私たちには神様の息子や娘として生きるべき価値観が必要です。こうした価値観を受け継ぐためには、親である神様を知ることが絶対に必要です。神様から離れてしまっているがゆえに、人類は神様から相続すべき真の愛を失って、利己的な世界に生きるようになってしまいました。神様なしでは、人間の尊厳性の根拠が失われてしまい、人間は動物と何ら違いがなくなってしまいます。神様と一つになることを求めることによってのみ、人間はその本性を取り戻す希望をもつことができるのです。

 

韓鶴子総裁講演集」より