韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

真の愛による世界平和の実現①

 「世界平和女性連合創立一周年記念晩餐会」スピーチ
 1993年9月13日、東京、ホテル・フォーシーズンズ


 尊敬する議長、マッカーサー大使、御来賓の皆様、そして紳士、淑女の皆様! こんばんは、私は「世界平和女性連合」を代表して、皆様にご挨拶できますことをとてもうれしく思っております。「世界平和女性連合」は、昨年創設されて以来、既に世界の120カ国に支部を有する組織となっております。

世界の希望は女性に

 数年前、世界はベルリンの壁の劇的な崩壊と、世界的に拡大した共産主義の終焉を目撃しました。冷戦が終わるのを眺めた時、多くの人々は歴史上初めて、この地上に真の平和が実現されるものと、希望をもちました。

 しかし、現実には、かつてない多くの人々の苦しみを見てきたのです。冷戦終了後の世界は紛争や飢餓や貧困に満ちています。共産主義との理念の争いは終わったとしても、異なる民族や宗教間の憎悪と不信の壁は一層厚くなり、社会や民族の間を引き裂きつつあります。

 その上、倫理、道徳はかつてなく退廃しています。世界中の家庭や社会が麻薬や十代の妊娠、不倫などの問題に直面しています。のみならず、現在の世界のどの指導者も、このような人類の精神の危機に対して、真の解決策を提示できないでいます。将来に対する明確な方向性のないままに、人類は暗闇の中でもがいているのです。

 しかし、「世界平和女性連合」は、希望の光をかざしています。人間存在の最も根本的な問題に取り組むことによって、明確な解決策と将来のビジョンを提示しているからです。私はこの1年余りの間、世界12カ国の160以上の都市で、100万人を超える女性指導者たちに講演をいたしました。そして、神様を中心とした真なる家庭をつくるために、世界中で女性こそが道徳を指導する立場に立たなければならないことを強調してまいりました。

 どの都市においても、多くの女性から温かい声援と熱心な支持を頂きました。共通していたのは、単なる危機感のみでなく、実際にこの世界を変革するために献身的に努力したいという決意でした。私は世界の女性にこそ、将来の大いなる希望があることを知っています。我が女性連合はこの希望を現実の強力な力に変えて、人類を救おうとするものです。

愛と許しに向かうのが女性の特性

 日本においても、「世界平和女性連合」は、その理想を行動に現して、献身的な努力を行ってきました。日本で勉強する留学生のために、数多くの奨学金を提供したり、ユニセフが世界の子供たちのために巡回学校をつくるのを援助したりしてきました。それだけでなく、生活苦に直面している人々を支援するために、衣類、その他の物資を何トンも送ってきました。また、そうした努力以上に、この世界をより良い世界へと変革する意欲を女性にもたせるための教育に最大の努力を傾けてきました。

 一般的に言って、女性は自分が世界の市民であるとは考えないものです。家族の世話や家事をするのがほとんどで、それ以外のことで女性が期待されることはあまりありません。しかし、今日のように地球が一つの村のようになっている時代においては、女性もかつてないほど世界の出来事に密接に関係するようになっています。

 この世界をより良くするために、女性はより多くの貢献をなすことができます。女性は本質的に、愛と忍耐と許しに向かおうとする特性を有しており、あたかも海洋が大陸を包むように、世界をかき抱くことができるからです。子供を育てるために献身し、犠牲さえもいとわない女性の本能的な特性が現在、指導者のレベルにおいて、絶対的に必要とされています。これまで女性は、社会においてより高い倫理道徳を求められてきましたが、それはこの点において、男性よりも女性の方がもっと責任感が強いからです。この美徳を活かすことによって、女性は人種や宗教や地域の差異を超えて、指導力を発揮することができます。だからこそ、世界平和の推進において女性こそが主役を演じなければならないのです。


韓鶴子総裁講演集」より