韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

アジアと世界を救援する真の愛の運動③

文化と人種と思想が溶け合う世界

 私の夫も真の愛の絶対的立場を知っていたので、数多くの迫害と苦難を受けながらも、自分のためではなく、神様と人類のために生きてきました。その結果、今日見られるような世界的な統一運動の基礎をつくることができたのです。

 また、このような世界的な仕事をしてきた人の妻として、私自身もその愛を中心とした勝利の因縁があるので、夫の痛みを家族全体の痛みとして、骨身に深く刻みつつ分かち合うことができたのであり、いかに困難なことにぶつかったとしても、笑顔を失わないようにと努力してきたのです。

 女性にとっての真の幸福を、父母の愛、夫婦の愛、子女の愛の中に見いだそうとして「ために生きる」生活を続けているうちに、自然と私の将来の目標が、真の愛を中心としてきのうよりきょうを、より「ために生きる」ことを感謝し、またあすはきょうよりも、「ために生きる」ことを感謝しながら、努力し続ける人生となったのです。

 また私が今日、立派に成長した13人の子供たちの母親として、その役割を成し遂げることができたのは、やはり、真の愛を中心として私の家庭が一つになれたからだと思います。どの家庭でも神様が臨在されれば、父母も子供もみな、神様の愛と生命と希望を共に分かち合うことができるからです。

 尊敬するお集まりの皆様。来たる2000年時代は、冷戦時代のような対立や多極的な混乱の時代ではなく、神様の愛を中心とした一つの世界としなければなりません。経済力や軍事力による世界支配の論理が存在していた弱肉強食の時代は、過ぎ去りました。今や真の愛を教える「神主義」に基づいて、東と西、南と北、そしてすべての文化と人種と思想が溶け合う、一つの世界をつくらなければなりません。

倫理的価値観の確立こそ課題

 「神主義」は今、アジアから出発して新しいアジア太平洋文明圏を建設しなければなりません。

「神主義」を中心としたアジアは、これ以上の反目や葛藤、闘争があってはなりません。自分のためよりも、全体のためになろうとする真の愛の実現により、アジア人自らが世界平和を成就する見本を示していかなければなりません。

 世界から「富」の祝福を受けた日本の行くべき道は、「ため」に生きる「真の愛の精神」を土台として、世界の痛みを自分の痛みとし、世界の問題を自分の問題として、世界のために犠牲となり、奉仕することによって、世界平和建設の主役になることです。

 既に私の夫は、今年(1991年)の8月27日、28日に、韓国のソウルで「世界平和宗教連合」と「世界平和連合」を創設しました。地球上の宗教は、一つの神様を中心として全人類を結集させ、真の愛をもって結束させる使命をもっていたにもかかわらず、歴史の流れとともに数百、数千の分派に分かれてしまいました。

 それだけでなく、宗教相互間の葛藤や闘争のため、真の愛を目指す人類の信仰の道までも、混乱に追い込んできたのが現実です。宗教の名でもって無実の人々を断罪し、神様の名を借りて血を流す戦争を数多く経験してきた歴史の冷厳な事実を直視すると、宗教が一つにならなければ、人類の心の世界は一つになれず、地上の平和界ははるか遠くに追いやられてしまうといえます。それゆえ、世界宗教を連携する機構が創設されたことは、正に歴史的な壮挙なのです。

 過去、第1次世界大戦後には国際連盟が、第2次世界大戦後には国際連合が、それぞれ平和な戦後世界をつくるために設立されました。しかし今日、第3次世界大戦と言っても過言でない、過去40数年間の冷戦時代が残してきた数多くの深刻な問題を解決するのに、国連は全く力不足であるというのが実情です。民族や文化の融和、貧富の格差の解消や自然保護、そして倫理的価値観の確立など、人類が世界的次元で新たに取り組んでいかなければならない課題に向けて、国連に代わる国際機構が必要とされています。

 このような時、「世界平和連合」という国際機構が、真の愛と「神主義」という新しい理念を中心として設立されたことは、正に時宜にかなったことだと思います。

 さらに、「世界平和宗教連合」と「世界平和連合」は、人間の心と体を代表するといわれています。これまで分裂していた心と体が、共通の目標に向かって協力し合うことのできる相互基盤がつくられたという事実は、既に世界平和の建設が目前に迫っていることを示すものです。このような世界的な環境条件が、既に準備されたのです。

アジアと新しい世界建設の先頭に

 尊敬する日本の女性代表の皆様。皆様方がアジアと世界のための真の愛の実践者となれば、今日の歴史的な大転換期は、日本とアジアが世界へ飛躍できる重要な出発点となることでしょう。

 皆様がアジアの母として、世界の母として生活舞台の幅を広げ、次元を高めて、新しいアジア、新しい世界建設の先頭に立ってくださることを切に願うものです。これは誰も避けることのできない、歴史が今日の私たちに与えた宿命的課題なのです。

 アジアが神の愛を中心として正しく立つとき、アジアの未来は無限に明るくなります。さらに、この世界に永遠なる平和の秩序が定着し、希望の未来が約束されるのです。

 新しいアジアの平和と世界の未来のため、より一層の努力をしてくださることを切にお願いいたします。御静聴ありがとうございました。


韓鶴子総裁講演集」より