韓鶴子女史み言アーカイブ

韓鶴子女史が語られた至宝のメッセージ

真の家庭と私③

宗教の目的

 私たちの心と体を見るとき、体は地獄の基地になっており、良心は天国の基地になっています。この2つの世界の分岐点をもっている人間であることを知りませんでした。

 このような立場に立っている私たち自身を見るときに、体が心を引っ張り回すのです。体が心を自由自在に歴史を通じて引っ張り回したのです。もし、良心が強ければ、自然と天に帰っていくので、世界は既に天の前に立つことができたはずです。また、肉身が良心を引っ張り回すというのは、堕落する時にサタンと関係を結んだ偽りの愛の力が、堕落する時の良心の力より強かったということです。

 ですから、神様はこのようなことをよく知っているために、堕落した人類をほっておくことができず、この体が良心を引っ張り回す力を弱める作戦をせざるを得ないのです。このように、歴史的に天が働くその救援的な体制を立てたのが宗教です。

 全世界の文化圏が異なる背景に従って、様々な宗教を立てて、体が心を引っ張り回すのをどのようにして弱めるのかというのが宗教の目的だということを、今まで宗教を信じる信仰者たちは知らずにいたのです。堕落がなかったなら、宗教は必要ないのです。誤ったので、これを修正するために宗教が必要だったのです。ですから、神様は宗教を通して何をしようというのでしょうか。心を引っ張り回すこの体を弱めようとするのです。

 皆さんは、宗教を信じることによって救われ、キリスト教を信じることによって天国に行き、仏教を信じることによって極楽に行くと思っています。しかし、天国は神様の真の愛を中心として、一つになった子女が入るようになっています。天国に入ることのできるアダムとエバの家庭は、神様の血族であり、神様の愛を中心とした家庭であらざるを得ないのです。そのような家庭が入る所が天国だということを、今まで誰も知りませんでした。

 ですから、良心の力を強化するためにこの体を弱めなければならないのです。良心を解放させ、良心が体を自由自在に引っ張り、堕落しなかった本然の神様の愛の懐に帰らなければならないのです。

 では、宗教がすべき内容とは何かといえば、体が一番嫌うことを提示することです。体が嫌うのは断食をせよ! そして次には奉仕をせよ! そして犠牲になれ! それだけではなく、のちには祭物になれ! 祭物は血を流すようになっています。生命を捧げられなければならないという話です。

 ですから、聖書で、「生きんとする者は死に、死なんとする者は生きん」と逆説的な論理を教えたのも、肉身の欲望のまま生きれば地獄に行くのであり、肉身の欲望を抑制して良心に従っていけば天国に行くという話です。この体を完全に屈服させ、良心が絶対的な主体の立場に立つようになれば、私たちの良心は無限な欲望と無限な希望をもつようになっているのです。

 今までの歴史の中で数多くの宗教があり、数多くの宗教指導者たちがいましたが、彼らは体を完全に占領し、無の状態に立って、良心をもって本然的基準で天と相対できる立場の解放された人間になれませんでした。

 私たち堕落した人間は、偽りの愛の根を中心として、野生のオリーブ(渋柿)になってしまい、真のオリーブ(甘柿)になれませんでした。神様の真の愛を中心として根を張るべき人間が、悪魔の愛を中心として根を張ったために、野生のオリーブになったのです。この事実に対して、どのように清算すべきでしょうか。きょう現在、生きている私たち人類の解決すべき重大な、宿命的な課題として残っているのです。


韓鶴子総裁講演集」より

真の家庭と私②

 では、この根をどのように清算するのでしょうか。サタンが愛の根をどこに下ろしたかといえば体、すなわち肉身に根を下ろしたのです。もし堕落しなかったなら、心と体が一つになるのは自然の道理です。堕落することによって、天に対する良心のプラスと、これに反対する体のプラスが相いれずにいるために、ここから闘争の歴史が始まったという事実を、私たちははっきり認識しなければなりません。

 神様は、こうして善悪を分立する歴史を通して転換せざるを得ないのです。神様は公的なので、全体のために生きる道を取りながら、愛と平和の目的に向かいます。その反面、サタンは私的立場を取って、全面的に善の側を破壊しようとする立場を取り、憎悪と戦争で永遠に人類を天の側に行けないよう、天と地上世界を滅ぼそうとしているのです。

 神様は、サタンの側に回った人類を打つことができないので、人類を取り戻すためには天の側が打たれて奪ってくる作戦を取り、サタンは打って奪われる作戦をせざるを得ません。

 サタンは、私的に憎悪と闘争で、天を滅ぼそうと歴史を通じてなしてきました。天は、反対に公的な立場で、愛と平和で再創造してきたのです。

 末世になれば、サタンが人類を支配してきた立場を天に奪われるようになるので、神がいないという無神論を提示して、人本主義と物本主義、共産主義の出現を助け、天の側の右翼とサタン側の左翼の闘争を、世界的に展開したのです。天の側の勝利によって、第2次大戦以後にキリスト教文化圏の勝利と、平和の世界に転換する大変換時代を迎えるようになるのです。

 今は個人主義の王国時代です。真の愛を中心とした、天の家庭を完全に破壊するフリーセックス時代、父母否定時代であり、夫婦否定時代、子女否定時代です。理想家庭を取り戻す天の側を完全に破壊するホモ、レズビアンの地上地獄時代を、天国に転換するのが再臨のメシヤの使命なのです。

 そうして、メシヤは真の父母として、心と体の統一、夫婦の統一、子女の統一を願うのです。

精神と物質の関係

 全世界的に今、公私にかかわらず、物質が先か精神が先か、無神論か有神論か、観念か実在か、進化論か創造論かということが問題になっています。これをはっきりさせなければなりません。

 例を挙げてみましょう。動物世界を見れば、生まれるとき、目がまず生じるようになります。その目自体は、物質それ自体です。その目が生まれる前に太陽があることを知っていたでしょうか、知らなかったでしょうか。その目の物質自体は知りませんでしたが、太陽を見ることができるように生まれたということは、その物質自体よりも先に、太陽があることを知った立場で生まれたということです。

 その目自体が空気があるということを、その目自体の物質は知りませんでしたが、既に空気の中にはほこりが飛ぶことを知って、目をカバーする睫が準備されているということを知ることができます。また、目自体は知りませんでしたが、既に蒸発させる輻射熱があることを知り、目に涙腺をおいて防備させたのは、生まれる前にそのようなことがあることを知って生まれたのです。

 結論づければ、思惟と存在、精神と物体、観念と実在、有神論と無神論創造論と進化論が論争する問題の解決をみるようになるのです。

 ですから、はっきり神様によって創造されたことを否定することはできません。そうして、本然の神様の創造理想世界に帰って、神様が願う家庭と私と世界をはっきり知らなければならないのです。

 

韓鶴子総裁講演集」より

真の家庭と私①

世界平和女性連合創立3周年記念大会」
1995年9月14日、東京ドーム

 満場の内外貴賓の皆様! このように意義ある場でお話しすることができますことを、この上なくうれしく思うものです。今、世界平和と人類の理想世界建設のために和合と統一の志を立て、平和な世界を成すために、先頭に立たなければなりません。きょう、私はこの講演を、皆さんと隔たりなく、平素、私が考えてきた「真の家庭と私」という主題でお話ししようと思います。

なぜ、心と体が闘うのか

 真なる国は、男性と女性の2人が真なる家庭を完成させてできるものです。人類は2人の人、男性と女性で構成されています。世界の複雑な問題も、2人の人にかかっています。真なる2人によって成される真の家庭の完成は、全人類と世界の問題解決のモデルになるのです。ここから真なる家庭が真なる国家と真なる世界に連結されることによって、平和世界、理想世界が形成されるのです。ですから、「真の家庭と私」は、どのような家庭と私であり、私たちが解決すべき内容は何かを考えてみようと思います。

 今、私たちが生きている世界は善なる世界か、悪なる世界かと尋ねるなら、誰でもみな悪なる世界だと答えることでしょう。なぜ、悪なる世界なのでしょうか。全世界の歴史を見ても、一国の歴史を見ても、戦争史で連結されているという事実を私たちは知っています。一つの平面的な基準で同じ立場にある人々が戦うようになるなら、これらはより衰退するようになっています。

 世界が悪いなら、私たちの国も悪いという話であり、その国の人も、私たち自身も悪いと言わざるを得ません。私たち自身をよく見れば、私たちの心と体も闘っている事実を否定することができません。それなら、この闘いの起源がいったいどこにあるのかということが問題です。

 私自身が闘い、平和の基地を持てないときは、いくら家庭が平和で、国と世界が平和だとしても、幸福ではあり得ないのです。皆さんが御存じのように、第1次、第2次世界大戦も終戦となりました。戦争は、終戦や休戦にいくらでもすることができますが、私たちの心と体を中心としたこの闘いは、昔から歴史を経て、今の現世ももちろんですが、未来まで継続する闘いであることを、私たちは想像だにしていません。

 このような問題を中心として考えるとき、神様がいらっしゃるなら、私たちの心と体の闘いを、なぜこのように歴史性を帯びて継続させたのかということが大きな問題になるのです。人間が罪を犯したというとき、罪を犯した人がそのことを蕩減しなければならないのです。罪を犯したこと自体に神様が責任を負い、これに干渉することはできないのです。

 では、心と体が闘う根源地はどこでしょうか。私たちの生命は父母から受け継ぎ、また父母をさかのぼっていけば、第1代の私たち人類の先祖の立場までさかのぼるようになります。すなわち、第1代の先祖であるアダムとエバの夫婦の愛に、問題があったためにこのようになったと見るのです。

 生命の起源は、父母の愛で始まるのです。では、私たちの生命が出発する前からこのような闘いが始まったと見るなら、父母が愛し合った立場が問題になったという事実を私たちは考えざるを得ません。アダムとエバの愛が喜びの愛にならず、相いれない愛の起源によって生命を受け継いだ私たち人間自体の紛争は、そこから始まったと言わざるを得ません。

 聖書は、アダムとエバが堕落することによって、エデンの園から追い出されたといっています。追い出されて人類の先祖が子女を繁殖したのは事実です。追い出したアダムとエバに、神様が結婚式をしてくれるはずは絶対にありません。誰のもとで結婚式をしたかと考えると、堕落することによってサタンのもとで結婚式をしたということを、私たちは認めざるを得ません。堕落は、サタンによってエバが誘惑され、誘惑されたエバがアダムを誘惑したのです。

 ですから、私たちの先祖であるアダムとエバが愛を中心として夫婦関係を結ぶとき、喜びの関係ではなく、相いれない関係により私たち人類の始祖が始まることによって、その関係に起因する私たち人間も、心と体の闘争の起源を連結せざるを得ないという事実は、何よりも理論的なのです。

 堕落は、淫乱によって始まったのです。このような願わない愛の関係によってサタンと一つとなって、善なる先祖になれず悪なる先祖になって、悪なる愛と悪なる生命と悪なる血統の根をもつようになったのです。

 このようなことが事実であれば、私たち全人類の堕落した後孫たちが、家庭を超えて氏族、国家、世界まで発展した今日、50億人類はサタンの後孫であり、悪なる父母の血統を受け継いだということを否定できないのです。私たちの体の中に、神様が一番嫌うサタンの血が蠢動しているという事実を、どこの誰も考えることができませんでした。これが問題です。


韓鶴子総裁講演集」より

世界平和は真の家庭から②

解決策は真の家庭に

 生活水準が高い先進国だといっても、深刻さは同じです。数世紀の間、社会を統合し、成長させてきた文化的な輪が弱くなっています。一つの国家を偉大に成長させたその強みが、今日には個人を過度に強調する自己中心的な生活態度に変わっています。

 このようなすべての問題の背後には、深刻な霊的危機が潜んでいます。このような危機は私たちが経験した過去のどのような戦争よりも全般的であり、防御し難いものです。政治や経済、教育的方法だけでは十分な解決策になりません。「世界は、人類の生存と破滅を分ける分岐点に差し掛かっている」と言っても過言ではありません。

 現代社会のどのような指導者たちも、このような人類の根本的な問題に具体的な解決策を出せずにいます。では、真の解決策はどこで探し出せるのでしょうか。それは正に、真の愛を中心とした真の家庭です。神様の真の愛を中心として夫婦が一つとなり、親子が一つとなって築かれた真の愛の家庭が、すべての平和の根源になるのです。

 このような真の家庭運動を広げるために、日本の女性連合の若いボランティア会員1600人が世界160カ国で熱心に働いています。各国ごとに問題は異なりますが、彼女たちは真の愛の精神をもっての教育活動や他の様々な社会奉仕活動を通じ、家庭を強化することに渾身の努力を傾けています。彼女たちが世界に果たした貢献は、決して忘れられることはないでしょう。

親であることの誇り

 私(韓鶴子総裁)は「世界平和女性連合」の創始者ですが、私の最も主たる職務は、母としての役割です。ほかの仕事を考える前に、私は自らを13人の子女の母、そして22人の孫の祖母だと考えます。

 ブッシュ大統領御夫妻の御子息が、先回の選挙でテキサス州知事として選出されました。ブッシュ大統領アメリカの副大統領、大統領職を歴任し、ブッシュ夫人は令夫人としての役割を立派に果たされましたが、この方々が、ただテキサス州知事の父母としてだけ人々に紹介されたとしても、そのことがブッシュ大統領御夫妻を不快にするでしょうか。私はそうではないと、皆様にお話しすることができます。

 実際、このような紹介を受けるとき、お2人はむしろ一層誇らしく、心にあふれる喜びを感じることでしょう。このようなことを可能にさせるのが正に真の愛です。

 真の愛は、人のために生きようと努める犠牲的愛を伴います。このような愛は、絶対的であり、不変であり、家庭を一つに維持する地上の唯一なる力です。一人の男性と一人の女性が、この真の愛の中で一つになるとき、彼らの結婚は神聖で永遠なものとなります。

女性が世界平和の先頭に

 女性たちは天が与えた愛と忍耐、そして許しの属性をもち、太陽が地球を覆うように、世界を覆うことができます。子供を育てるのにすべてを捧げ、犠牲を恐れない女性たちの特性は、正に今日の世界の指導者たちに必要なものです。

 さらに女性たちは、人種と宗教、地域間の利害関係を超越して、真なる家庭を建設する知恵と犠牲精神をもっています。今、女性たちが世界平和追求に先導的役割を果たすべき時が来たのです。

 もし、私たちが真なる娘、真なる姉妹、真なる妻、そして真なる母として模範的な女性となるなら、男性たちはより良い息子、兄弟、夫、そして父となることでしょう。このような人々と共に、私たちは健全で愛らしい家庭をつくることができます。このような家庭が増え、より多くの人々が、良い家庭の重要性を認めるとき、社会の多くの問題は解決するでしょう。私たちの子女たちがこれ以上、飲酒、麻薬、そして紊乱した性の誘惑の奴隷になることはないでしょう。

 また、夫と妻が真の愛で一つとなり、真の家庭を築くとき、私たちはこの社会の不道徳と混乱した愛の秩序に、一層強力に立ち向かうことのできる力と勇気を得るようになります。そして、家庭と社会が健康を回復するようになれば、私たちは力と知恵の多くを人類の葛藤や人種差別、世界の飢餓問題の解決などに集中することができるのです。

 「世界平和女性連合」は、すべての人々が真なる平和世界の建設のために、その努力を最大に発揮できるよう、あらゆる努力と精誠を尽くす覚悟ができています。

 親愛なる「女性連合」の姉妹の皆様! 全世界の女性たちと共に新しい世界の創造のために前進を誓いましょう。私たちみんなが愛と勇気をもちましょう。

 神様の祝福が皆様の家庭に共にあらんことを祈ります。ありがとうございました。


韓鶴子総裁講演集」より

世界平和は真の家庭から①


世界平和女性連合創立三周年記念晩餐会」スピーチ
1995年9月13日、東京、全日空ホテル

 ジョージ・ブッシュ大統領御夫妻、外交官、御来賓、そして紳士、淑女の皆様!

 今日、「世界平和女性連合」は創立3周年を記念する意義深い場を設けることができました。今まで本連合の成長のため、様々に声援を送ってくださった皆様すべてに、心から感謝を申し上げます。

3年間の大きな変化

 過ぎし3年間にわたり、「世界平和女性連合」は163カ国に支部を置いた世界的な組織として、既に驚くべき発展を成し遂げました。初め、私たちが出発するときは「女性連合」というその名自体に多くの人々が懐疑的でした。まず「女性連合」という言葉自体があまりに大げさな名だというのです。さらに、女性たちが世界平和を論ずるということは、想像することさえ困難だというのです。「女性」たちとは、家の中で夫と子供たちの面倒を見て、「家庭の平和」だけを成し遂げても、期待以上だという思考方式でした。

 しかし、世の中は非常に変わりました。今日の女性たちは家庭の面倒を見ながらも、調理師から仕立て屋、運転手まで、または教師、弁護士、会計士、そして政治の一線に立っても国会議員、大臣の仕事まで、てきぱきと上手にこなしています。大統領、首相の職務であっても、任せられさえすれば、かえって男性よりも上手にすることができると思います。

 ただ、女性たちに、男性たちより一つだけ異なる点があるとすれば、女性たちはいつも、人よりも前に出しゃばらないということです。あらゆる機会をいったん男性たちに先に譲歩してきたという点です。違いますでしょうか。

男性の援助に感謝

 過ぎし3年間は、私たちすべてに多くのことを学ばせた大変貴重な期間でした。宣伝する方法も学び、組織をつくる技術も身につけました。様々な団体、または他の国の機関と協力することにも慣れ、討論会を進行する場合は、既に専門家になりました。もちろん、この期間、私たちの夫たちも家庭で多くのことを学んだと信じます。赤ん坊のおむつを、ほど良い時に換えることだとか、洗濯をきれいにすることが、それほど簡単ではないということを会得したことでしょう。

 今日、この場で明らかなことは、このように犠牲的に世話をやいてくれた夫たちの支持と声援がなかったなら、私たち「女性連合」はそのようには多くの事柄を成就できなかっただろうという点です。女性の皆様! 男性たちに熱い感謝の拍手をお送りください。

核心は真の家庭運動

 「世界平和女性連合」は文字どおり世界的な平和運動機構ですが、その運動の核心は真の家庭運動です。私たちは真なる家庭がすべての平和の根本だと信じます。ですから、私たちは、まず人類を一つの兄弟姉妹として結ぶための努力の一つとして、国際姉妹結縁運動を展開してきました。昨年は、日本と韓国の女性たち17万9000組が姉妹結縁を結びました。そして今年は、日本の女性約7000人が10数回にわたってアメリカを訪問し、アメリカの女性たちと姉妹関係を結びました。第2次世界大戦終結50周年記念行事の一環として計画されたこの行事は、今年の末まで続けられます。そして、この姉妹結縁運動は世界の全域で一層活発に展開されることでしょう。

 今、世界の女性たちが姉妹になっています。もし、女性たちが姉妹になるなら、男性たちは互いに争うことはできません。世界の女性たちが互いに一つになるなら、国家間において互いに銃を向けることはできないし、父母たちは彼らの息子、娘たちを見送る苦痛をこれ以上経験しなくてもよくなるでしょう。

 兄弟姉妹の皆様、21世紀を目前にして、私たちは今、困難な峠を越えつつあります。冷戦は終わりましたが、世界はずっと紛争と貧困、飢餓で満ちています。人種、宗教、そして文化間の葛藤が増えています。一層深刻な問題は、世界が価値観と道徳性の混乱に巻き込まれているということです。麻薬、10代の妊娠、そしてフリー・セックスやホモセクシュアルによって引き起こされるエイズは、すべての社会を脅かしています。他方、毎日5万人もの人々が飢えで死んでいます。そのうち3万5000人は5歳未満の幼い子供たちです。


韓鶴子総裁講演集」より

真の愛による世界平和の実現③

 私(韓鶴子総裁)の夫である文鮮明師は、人類を神様のもとに連れ戻すために、全生涯を捧げてきました。夫は、真の永続する世界平和は神様との関係を持つことによってのみ達成できるものであることを常に説いてきました。すべての宗教、人種、民族間に調和をもたらすために、生涯を捧げてきました。代償を期待することなく、ただ他のために生き、常に自己犠牲の道を歩むことによって、激しい反対や不正な迫害を多く受けたにもかかわらず、神様と世界平和のために献身する個人と団体から成る、世界的な運動を築き上げることができたのです。

 神様の本来の願いは、子たる人間と一つになって、人間のあらゆる経験を共に分かち合うことである、と私の夫は教えています。心と体が神様の真の愛と一つになった個人は、そのすべての行動の中で、真の愛を現すようになります。そのような人は、神様の代わりとなって、あらゆる人々との関係においても神様の愛を現すようになるのです。

今は理想的な家庭が実現する時代

 皆様、私は過去3カ月の間、アメリカ50州を巡回し、また、アメリ連邦議会および国連本部で講演して、成約時代の夜明けが来たことを宣布してきました。神様が、真の家庭を築くようにと人類の始祖に与えた約束を、人類が成就することのできる時が来ています。今、私たちは人類史における歴史的な転換点に立っています。神様の子供として、私たちは今や男性も女性も共に神様を見いだし、神様と共に真の愛の中に生きることができます。

 今、私たちは、神様と共に新しい永遠の時代に入りつつあるのです。

 私の姉妹たる女性の皆様、真の愛と真の家庭を実現するためのこの努力において、世界の女性が指導的な役割を果たさなければなりません。真の娘、姉妹、妻、そして母親としての模範的な存在となることによって、男性を真の息子、兄弟、夫、そして父親へと変えようではありませんか。そうすることによって、私たちは神様の愛を中心とした理想的な家庭を実現するのです。

 そのような家庭ができるにつれて、現在の乱れた社会の病的な状態は自動的に消え去るでしょう。自信と確信をもった神様の子供として、私たちはもはやアルコールや麻薬の誘惑の奴隷となることはないでしょう。

 それだけでなく、夫婦間の愛が神聖なることを理解することによって、私たちは不倫や浮気に対して強く立つための道徳的な力を得ることになるでしょう。そして最終的に、私たちは皆で力を合わせて、紛争や人種差別や世界の飢餓を絶滅するのです。

 「世界平和女性連合」は、皆様の助けを得て、喜びと幸せの世界をつくります。それが人類に対する神様のビジョンであることを理解して、世界中のあらゆる所に、平和と自由をもたらすために、共に手をつないでいきましょう。

 神様の祝福が、皆様と皆様の家庭の上にありますようにお祈りいたします。ありがとうございました。


韓鶴子総裁講演集」より

真の愛による世界平和の実現②

世界の家庭が危機に直面

 第2次大戦後、日本は奇跡的な経済発展を成し遂げましたが、このことは社会の発展において、価値観がいかに重要であるかを示しています。日本の文化と国民性の特長は、家庭と国家を尊重し、より高い目的を中心として一致団結することにあります。このような価値観が、日本の家庭や学校で教えられるだけでなく、言論機関によって社会環境の中で強化されています。戦争で荒廃した日本が、短期間のうちに世界の経済大国となることを可能にしたカギは、西洋社会の個人主義とは対照的な、このような文化的価値観にあったのです。

 しかし、現在、日本は岐路に立っています。社会をまとめ、支えてきた文化的な絆(きずな)が次第に衰退しつつあります。日本を偉大な国にした価値観が、次第に、個人のみに重点を置く、利己的な価値観と生活様式にとって代わられつつあるのが現状です。悲しいことに、日本における家庭のあり方も危機に直面しています。過去20年間、道徳と倫理の水準が着実に低下してきました。年を経るごとに、これまでの社会を支えてきた価値観の構造が弱体化し、道徳が相対主義に陥りつつあるのです。

 御承知のように、家庭の絆が絶滅の脅威にさらされているのです。これは単に日本においてのみでなく、世界中に見られることです。年々増加する離婚率は、このことを示しています。夫婦はお互いの結婚に対してほとんど責任を感じなくなり、親は子供に対する本来のあるべき責任をもとうとしなくなりつつあります。

 のみならず、人間の尊さをわきまえない個人は、自分自身に対しても責任を取らなくなります。そのような家庭においては、親は子供にとって理想的な模範となることができません。その結果、子供たちは成長してから自分の親に対して反感をもつようになり、しばしば犯罪、麻薬、フリーセックスに走ることになるのです。

必要なのは神様による真の愛

 皆様、家庭の基礎は何でしょう。それは真の愛です。真の愛とは、他のために生きようとする無私の愛を特性とします。それは、絶対的であり、変わらないもので、利己的な愛や未熟な愛とは正反対です。真の愛は家庭を一つに保つ唯一の力です。夫婦が真の愛の中で一つになる時、その結婚は永遠となります。親が真の愛をもつ時、子供たちのために喜んで自分を犠牲にします。のみならず、真の愛で育てられた子供は、親からの愛を相続し、成長してから親を心から敬い、家族を尊敬するようになります。このような神様の真の愛を中心とした家庭こそが理想的な社会、国家、世界を築く基礎となるのです。

 私たちには神様の息子や娘として生きるべき価値観が必要です。こうした価値観を受け継ぐためには、親である神様を知ることが絶対に必要です。神様から離れてしまっているがゆえに、人類は神様から相続すべき真の愛を失って、利己的な世界に生きるようになってしまいました。神様なしでは、人間の尊厳性の根拠が失われてしまい、人間は動物と何ら違いがなくなってしまいます。神様と一つになることを求めることによってのみ、人間はその本性を取り戻す希望をもつことができるのです。

 

韓鶴子総裁講演集」より